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事業承継に大切な考え方

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豆腐屋の二代目である父親が廃業し苦労した経験から、事業を継続することの難しさを実感。苦しさを打ち明けられない社長の心の内に関心を抱くようになる。 会計事務所・東証プライム上場(旧東証一部上場)のM&A専門会社を経て、勇退を志す経営者を応援するサイト「社長勇退ドットコム」管理人を務める。一方で、メルマガ、ブログ、YouTubeなど幅広く情報発信。熱血M&Aアドバイザーが主人公の漫画「ロマンとソロバン」は、集英社の第15回「グランドジャンプ漫画賞」の佳作を受賞している。 ☞ 詳しくはこちらから

今まで、事業を大きくしてきた社長にとって、最後の悩みの種が事業承継ではないでしょうか。

ある調査によると、事業承継がうまく進まない理由は、主に以下の3つに集約されるそうです。

<事業承継がうまく進まない理由>

  1. 後継者と社長の価値観が違う
  2. 後継者とコミュニケーションを取っていない
  3. 周りに事業を継がせたいと思えるような人材がいない

切羽詰まってからではなく、業績が好調の今のうちから、この3点に対して手を打っておくべきなのです。

優秀な後継者を任命することは、社長にとっての“最後の大仕事”です。”自分のロマンを継いでくれる後継者”がいれば、社長にとって、これほどうれしいことはないと思います。しかし、現実はそうはうまくいきません。そのような後継者は身近には、なかなかいないのです。

M&Aを活用して、会社を渡す

事業を継続させるためには、会社を”渡す””潰す”しか、選択肢はありません。

会社を”渡す”相手は、親族かもしれないし、従業員かもしれません。場合によっては、第三者への会社売却という可能性も考えられます。狭き門かもしれませんが、IPO(新規株式公開)で上場企業となり、社会の公器になるという選択肢もあります。

価値のある企業であれば、誰かに”渡す”ことは可能でしょうが、価値のない企業は、残念ながら、”潰す”以外の方法はないというのが現状です。

そもそも”価値”って何なのか?

「価値とは何か」を知ることができれば、まずビジネスが上手くいきます。価値ある商品やサービスは、自社に大きな売上をもたらします。また、価値の高いものを提供している自信と誇りにより、周囲との関係も良好になります。

自分ではわからないという方には、お客さまに答えを直接聞くようにしてもらっています。自社の強みが短納期だと思っていたのに、高品質だったりだとか、営業力と思っていたのに、アフターフォローだったりとか、当事者である社長も気付いていない意外な答えが返ってくることもよくあります。この回答をもらうことで、会社売却への自信を深める方が結構います。

「価値とは何かを知る」というのは、非常に価値が高いことです。それは、もしかしたら、この世で最も価値が高いことかもしれません。なぜなら、それは”金の卵を産むガチョウ”だからです。もちろん、”金の卵”も価値はあるかもしれませんが、それを継続的に産んでくれる”ガチョウ”には、もっと価値があるのです。

では、実際に”金の卵を産むガチョウ”の価値はどのように算定するのでしょうか。

目的によって変化する企業価値

企業価値とは、簡単にいえば、会社の値段のことです。資本金や株価のように、絶対的な金額が決まっているものではなく、あくまで目的に応じて算出し、参考にする数字のことです。

❶ 売却しやすい会社の経営状況

  • 社長への依存度が低い
  • 一定の売上規模
  • 取引先が分散されている
  • 黒字傾向
  • 無借金又は適度な借入金残高

❷ 会社売却の方法

中小企業の場合、会社を法人格ごと譲り渡す”株式譲渡”という手法がよく用いられます。株式譲渡は、会社の所有者である株主のみが変わり、従業員の雇用・処遇、取引先や顧客との契約関係等は原則維持されます。会社売却の影響が少ないので、多くのケースで用いられる手法です。

また、株式譲渡の場合、売却益に対する税率が一律20%と大変お得になっています。

❸ 会社の売却見込価額の算定方法

売却価額は、「どれくらい稼げるか?」と「どれだけの純資産を持っているのか?」という、2つの視点で決まってきます。

具体的な算定方法としては、”年買法”が最も一般的です。年買法とは、「時価純資産額+営業権(企業の実質利益の2年~5年分)という算式で計算する方法です。営業権として何年分の利益をみるかは、企業規模、財務状態、成長性、買収ニーズの強弱等により変わります。

❹ 戦略的投資家と金融投資家

買収を行う主体は、事業を営む事業会社(戦略的投資家:ストラテジック・バイヤー)と、株式価値の引上げを狙う投資ファンド(金融投資家:フィナンシャル・バイヤー)に分類することができます。

戦略的投資家は、主に事業上のシナジーを生じさせることを意図しているのに対し、金融投資家は、対象会社が将来生み出すキャッシュフローの価値に着目しています。

この2つの買収者がM&Aの入札で競合する場合、理論上は、戦略的投資家の方が想定されるシナジーの価値を織り込むことができるため、金融投資家より高い入札価額を提示できるとされています。ただし、資金調達の側面からいうと、金融投資家の方が積極的にレバレッジド・バイアウト(LBO)による資金調達を活用できるため優位になるという考え方もあります。

②③で紹介した方法以外にも、いくつか方法はありますが、今回はお伝えしたい趣旨と少しズレるので、ここではさらっと流しますね。

企業価値の最大化は、重要な経営戦略

今回、このサイトに訪れたあなたは、何らかの事情により、会社を売却せざるをえなくなったが、まだ決断できていない方だと思います。確かに、会社売却は狭き門ですし、もしかしたら、周囲の視線が、あなたの決断を鈍らせているかもしれません。

そこで一つ、ご提案です。一度、発想を転換してみませんか?

戦略的事業承継のすゝめ

M&Aをすべきだと思っているのに、行動できない理由は、心のどこかで後ろめたい気持ちになっているからだと思います。

  • 大手企業のグループとなり会社経営の安定性が増す
  • 従業員の雇用を維持できる
  • 取引先に迷惑をかけない
  • 創業者利益を得ることができる
  • 経営者としての責任・ストレス・プレッシャーから解放される
  • 個人資産を借入金の担保から外すことができる
  • 会社債務の連帯保証から外れることができる

会社売却した暁には、こののようなメリットがあります。あなたは、このメリットを見てどのように思いましたでしょうか。

  1. 「これなら、安心して第三者に売却することができる」
  2. 「これで、ようやく重荷がおりた」

1.と感じた人は、会社のために売却を検討している人です。2.と感じた人は、自分のために売却を検討している人です。

どちらが正しいということはありません。会社売却に正解などないからです。しかし、どちらの考え方が、会社を成功へと導くかと聞かれたら、迷わず 1.と答えます。

私心で動くと、人は後ろめたい気持ちになるものです。反対に、世のため人のために動くと、気分がとても高揚します。その根本にあるのは、会社の成長と発展=社長の幸せという考え方です。サイト名を”勇退”という言葉を使ったのも、大きな視点で判断するためです。

”成長と発展”の視点で戦略的に事業承継を捉えれば、”価値”について考えざるを得ません。一方的とはいきませんので、互いに相手の立場を考えながら、価値観をすり合わせていく。濃密なコミュニケーションなくして、事業承継は成り立ちません。打ち合わせのほとんどの時間が、価値観を確認する作業に費やされます。

社長勇退ドットコムは、限りなく理想に近い事業承継を目指しています。

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五十村 髙志
豆腐屋の二代目である父親が廃業し苦労した経験から、事業を継続することの難しさを実感。苦しさを打ち明けられない社長の心の内に関心を抱くようになる。 会計事務所・東証プライム上場(旧東証一部上場)のM&A専門会社を経て、勇退を志す経営者を応援するサイト「社長勇退ドットコム」管理人を務める。一方で、メルマガ、ブログ、YouTubeなど幅広く情報発信。熱血M&Aアドバイザーが主人公の漫画「ロマンとソロバン」は、集英社の第15回「グランドジャンプ漫画賞」の佳作を受賞している。 ☞ 詳しくはこちらから