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【Bリーグ】混乱する日本バスケ界を統一した川淵チェアマンの潔い身の引き方

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大学卒業後、会計事務所・M&A専門会社(現在、東証1部上場)を経て、平成20年株式会社コスモスコンサルティングに入社。 「答えは、社長の心の中にある」がモットーで、社長の話に真摯に耳を傾け、企業の発展と存続のため、社長と後継者の真の気持ちに重きを置いた事業承継対策・勇退のサポートに取り組んでいる。 詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。 ☞ プロフィール

昨年、国内3つ目となる団体競技プロスポーツとして、男子バスケットのプロリーグ「B.LEAGUE(以下、Bリーグ)」が華々しく開幕しました。忘れもしない2016年9月22日のことです。開幕戦をテレビに噛り付いて観戦したバスケ小僧の筆者です。

さて今回は、日本バスケ界を立て直した我らがリーダー川淵三郎チェアマンを探っていきたいと思います。

この記事は、こんな人におすすめです!
  • 川淵三郎チェアマンの功績を知りたい人
  • 事業を清算するか廃業するか悩んでいる人
  • バスケットボールが好きな人

2つに分裂していた日本のバスケットボールリーグ NBLとbjリーグ

歴史的瞬間、Bリーグの開幕戦、あなたはどのようにご覧になったでしょうか。LEDの電飾を駆使したコート、ショーアップした会場の雰囲気。小中高とバスケに明け暮れてきた筆者としては、もうただただ大興奮でした。まさか、日本のバスケがゴールデンで生中継、しかも、NBAバリのド派手な演出・・・。感慨深く「東京アルバルク」VS「琉球ゴールデンキングス」の試合を拝見させていただきました。

二年前を振り返ると、とてもとても想像ができません。なぜなら、かつて日本のバスケットボールリーグは、二つに別れてどうしようもない状態に陥っていたからです。

日本バスケットボール界分裂の歴史

もともと、日本にはプロバスケットボールリーグはなく、企業がチームを持つという実業団という形式で活動していました。日本バスケ界の混乱は、約20年前、Jリーグが産声をあげた頃に遡ります。NBA人気スラムダンクのアニメ化により、日本でもバスケが大ブーム。(当時、筆者が通っていた高校では、入部希望者が約80名、まさに異常事態でした。)タイミングは偶然だったかもしれませんが、ちょうどこの頃、日本バスケ界にもプロリーグ構想が生まれました。

The Spirit Collection of Inoue Takehiko スラムダンク Vol.1 桜木花道The Spirit Collection of Inoue Takehiko SLAM DUNK Vol.5 三井 寿The Spirit collection of Inoue Takehiko SLAM DUNK vol.4 赤木 剛憲The Spirit Collection of Inoue Takehiko SLAM DUNK vol.3 流川 楓The Spirit Collection of Inoue Takehiko 宮城 リョータ

ここから、日本バスケ界の苦難の歴史が始まります。全てを書くとなるとかなり長くなってしまうので、ざっくりと箇条書きさせて頂きます。

  1. JBL設立: 元々実業団リーグが、スラムダンクやNBAの人気に後押しされてプロリーグ化を検討。バスケットボール日本リーグ機構(JBL)が設立される。
  2. 対立発生: プロ化を嫌がる実業団チームと、プロ化を目指すセミプロチームで対立発生。興行権を持っているJBLもプロ化しなくていいんじゃないかという姿勢。
  3. bjリーグ発足: 新潟アルビレックスとさいたまブロンコスの2チームがJBLから脱退。独自のbjリーグを立ち上げる。
  4. JBL激怒: それに怒ったJBL、世界選手権に出場できる選手をJBL所属だけに限定する。
  5. 地道に頑張るbjリーグ: bjリーグは、実業団ではないので母体の企業体がなく、苦しい状況が続いたが、地元のスポンサーを探したり、ハーフタイムショーを充実させたり、ファンサービスを頑張って収益化&地域密着型を目指す。
  6. JOC管轄下: 2006年世界選手権が日本で行われるものの、13億円もの大赤字を出す大失敗。その後のJBLの対応のまずさを巡って、JOC(オリンピック委員会)が仲裁、管轄下に置かれる。
  7. JOCから資格停止処分: しかし、その後もゴタゴタはおさまらず。 赤字を補填するために全国の部活動等からバスケ協会員の登録費を値上げしたりやりたい放題。結局JOCから資格停止処分を受ける。これでオリンピックなどへの参加が禁止。
  8. FIBA介入: ある程度内紛が収まり、JOCの資格停止処分はなくなるが、あまりの酷さにFIBA(国際バスケットボール連盟)が介入。

簡単に言えば、日本バスケにはNBL(実業団リーグ)bjリーグ(プロリーグ)の二つのリーグが存在し、いろいろな利権が絡みに絡んで、20年超の期間、誰にも手の付けられない状態となっていました。その結果、マンガのスラムダンクブーム、日本人初のNBAプレイヤーの田臥ブーム、ドリームチームが来日した世界選手権を活かせず、メジャーになるためのチャンスを潰してしまったのです。

一般的には、あまり知られていないバスケ問題ですが、バスケ好きな筆者は、この問題を密かにとても憂えていました。とにかく、バスケ関係者は半ば諦めモードで、この問題を静観していました。そんな中、ある男に白羽の矢が立ったのです。

バスケ界の救世主、Jリーグの立役者 川淵三郎

日本のバスケ界は、このままだと国際舞台から隔絶され、オリンピックはおろか世界選手権にも出られません。63万人におよぶバスケットボール競技者たちの夢は風前の灯でした。この危機に立ちあがったのが、Jリーグの立役者 川淵三郎さんでした。

もちろん、課題は山積み。参考までに、FIBAから突き付けられた課題はこちらです。

  • ガバナンスの改善
  • 若い世代の代表選手権と国内大会(インターハイ)の重複問題の解決
  • JBLとbjリーグの分裂を統合

オリンピック予選に出場するためには、2015年6月までに制裁解除にこぎつけなければなりません。そのために、上の3つの条件をすべてクリアする必要がありました。中でも、分裂した二つのリーグを統合するのは、至難の業です。残された時間は、約4カ月。誰もが無理だと思っていましたが、川淵さんだけは違っていました。

「解決できるのは僕しかいない」

と即答したのです。

2015年2月、張り詰めた空気の中、リーグ統一のための代表者会議が開かれました。bjリーグとNBL(2013年、JBLが名称変更)双方から怒号飛び交う会議で、川淵さんは新リーグの構想として、バスケ界に新たなビジョンを示しました。それが、こちら。

  • 2016年秋に新リーグを開幕
  • 1~3部のピラミッド型のリーグ体制
  • トップリーグに関してはホームゲームの8割以上を開催できる5000人以上収容可能なアリーナを確保
  • サラリーキャップを外す
  • チームに企業名を残す

Jリーグの経験を踏まえ、日本バスケットボール界のさまざまな問題を整理した、練りに練った構想でした。

川淵三郎の身の引き方

商売上手な川淵さんは、100億円超の大型スポンサー契約も取り付けました。そう、あのソフトバンクからです。100億円超のスポンサー契約は、国内プロスポーツにおいてほとんど例がありません。Jリーグ時代からの川淵さんと孫正義社長の信頼関係があったからこそ、成しえたことだと思います。ちなみに、この契約はわずか二日でまとまったそうです。

その後、川淵さんは2015年5月にJBAの会長職に就任。嫌われることを恐れず、しがらみを断ち切り、次から次へと独裁的に決断を下していきました。

そして、すべての道筋をつけた2016年6月に、会長職を退きました。FIBAから「継続してほしい」という願いを断っての決断です。これは、まだBリーグが開幕する前の話です。

「79歳の僕がいつまでも居座ってはよくない」

と思ったそうです。後任は、バスケットボール界とのしがらみがなく、知名度と発信力のある、元バレーボール選手の三屋裕子さんを指名しました。その潔い引き際は、天晴としか言いようがありません。

  • 日本の競技人口の多さ
  • 世界的な競技人口の多さ
  • エンターテイメント性

川淵さんは「バスケットボールには、非常に明るい未来がある」と、引退した今も語っています。

筆者のひとりごと

元サッカー日本代表、日本代表監督、その後Jリーグの初代チェアマンとして、日本のサッカー界の発展に最も貢献した川淵チェアマン。その経験を活かし、国際試合禁止の処分を受けるほど末期的な状態だった日本バスケ界を、わずか半年で立て直した実力には感服しました。私利私欲で動かない川淵さんだからできた偉業だと思います。

次は、「世界のホンダ 本田宗一郎が引退を決断した理由とは」をご覧下さいませ(๑˃̵ᴗ˂̵)و テヘペロ

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