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【タカラ創業者】「おもちゃの王様」佐藤安太の人生ゲーム

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豆腐屋の二代目である父親が廃業し苦労した経験から、事業を継続することの難しさを実感。 会計事務所・M&A専門会社(東証1部上場)を経て、「社長勇退ドットコム」管理人を務める。「答えは、社長の心の中にある」がモットーで、社長の”おもい”に耳を傾け、会社の”成長”と”発展”のため、勇退のサポートに真摯に取り組んでいる。 ☞ 詳しくはこちらから

家族みんなでテーブルを囲んで、ワイワイと楽しめるテーブルゲーム。年末年始に友達や親戚と遊ぶと盛り上がりますよね。中でも、キング・オブ・テーブルゲームといえば、何といっても、人生ゲームです。

筆者も子供のころは、よく友達の家で「億万長者」を目指して、ルーレットを回していたものです。おかげさまで、人生ゲームを通して、ずいぶんと金銭感覚が鍛えられたような気がします。最近では、人生ゲームのM&Aバージョン、「人生ゲームM&A」を子供と一緒に楽しんでおります。プライベートまでM&A。完全に職業病ですね(笑)。

人生ゲーム M&A

「人生ゲームM&A」は、企業買収を繰り返して、一番大金持ちになった者が勝ちというルールです。職業が一つに固定されないところが、通常版との大きな違いとなります。人生ゲームもたくさんの種類が出ているので、お好みに合わせて選ぶと良いと思います。

ちなみに、このM&Aバージョンは、堀江貴文(ホリエモン)さんが監修していたため、ライブドア事件により生産中止となっています。今では、プレミアムになっているそうですよ。

さて今回は、「おもちゃの王様」と呼ばれたタカラ創業者 佐藤安太さんの「山あり、谷あり」の人生について、探っていきたいと思います。

この記事は、こんな人におすすめです!
  • 「人生、山あり、谷あり」でチャレンジングな人
  • おもちゃをこよなく愛する人
  • ご子息に会社を譲ることに迷いがある人

🎲 「おもちゃの王様」と呼ばれたタカラ創業者 佐藤安太

だっこちゃん、リカちゃん、人生ゲーム、ミクロマン、チョロQ、トランスフォーマー、フラワーロックなど、たくさんのおもちゃを世に送り出してきたタカラ。あなたも一度は遊んだことがあるのではないでしょうか。このタカラの創業者が、佐藤安太さんです。

リカちゃん ドール LD-07 うさちゃんとおでかけチョロQ zero Z-66a フェラーリF40 赤 (メーカー初回受注限定生産) 完成品トランスフォーマー シージシリーズ SG-37 ギャラクシーアップグレード オプティマスプライム

佐藤安太さんは、40年以上にもわたってたくさんの玩具を開発したことから、「おもちゃの王様」と呼ばれています。一般的に、玩具というのはブームがあるので、パッと売れてパッと消えるものですが、タカラの商品は息が長いのが特徴です。リカちゃんも人生ゲームもトランスフォーマーも、発売から30年から40年経った今も、売れ続けています。

❶ 空前の”だっこちゃんブーム”を活かしきれなかったタカラ

1960年、銀座の百貨店から”だっこちゃんブーム”は始まりました。だっこちゃんを腕に着けた女性がそのまま食事に出掛けたところ、若者にバカ受け。評判が評判を呼び、だっこちゃんは瞬く間に広がっていったのです。

だっこちゃん ぬいぐるみ黄+ストラップ柿

そもそも、「だっこちゃん」という名前は、誰がつけたか分からない”詠み人知らず”。本当の名前は、「木のぼりウィンキー」というそうです。

突如起こっただっこちゃんブームにあたふたする佐藤安太さん。何も手を打てないまま、ブームはわずか一年で去り、会社は倒産寸前に陥っていました。自社商品ではないため利益率が低いのに加え、急激な設備投資雇用増大により身の丈にあった経営になっていなかったのが原因です。結局、ブームに乗り切れず、すべての社員を里子に返し、だだっ広い工場に残ったのは、佐藤安太さんと奥さんの二人だけでした。人生ゲームで言えば、「振り出しに戻る」状態です。

❷ 失敗を糧にした”リカちゃん人形”

この失敗で落ち込む佐藤安太さんではありません。なぜなら、経営者として何が足らないのかが、はっきりとわかったからです。売れる仕組みが全然分かってないことに気付いた佐藤安太さんは、一念発起。試行錯誤を繰り返すこと七年「リカちゃん」の発売までこじつけます。目指すは、アメリカのバービー人形です。

Barbie バービー人形 Made to Move Doll Blonde Blonde FTG81 [並行輸入品]

当時、日本では玩具の流行は一年とされていました。これに異を唱えたのが、佐藤安太さんです。きちんとしたストーリーを作り、効果的な宣伝と良い品質が伴えば、売り続けることはできるはずだと主張したのです。いわゆる、マーケティングですね。

「二年目は別の人形をやらなきゃ」と言う問屋に対して、「今年もリカちゃんで」と言い続けました。翌年には、リカちゃんの家族や友達を投入し、リカちゃんは一過性のブームで終わることはありませんでした。だっこちゃんブームでの失敗を糧に、見事にものにしたのです。

❸ クズの山から発掘した”人生ゲーム”

佐藤安太さんは、小さな理想の積み重ねこそが、最高の理想を実現できる唯一の手段だと語っています。リカちゃんで業界の常識を打ち破った佐藤安太さんは、次なる照準をボードゲームに定めました。将棋や囲碁、ボードゲームはヒットしないという”常識への挑戦”です。

当時、米国のミルトン・ブラッドレー社が日本進出をもくろみ、20種類ほどのボードゲームのサンプルで日本企業との提携を模索していました。タカラの社員は、これを”クズの山”と言って、見向きもしなかったそうです。タカラの社員だけではありません。玩具業界全体として、このような傾向があったのです。

The Game of Life: Classic Edition

しかし、”常識への挑戦”を豪語していた佐藤安太さんは、違いました。簡単には決めつけず、”クズの山”を自らが検討し始めました。その中で目に留まったのが、「The Game of Life」、後の人生ゲームです。判断基準となったのが、”子供の自立”です。佐藤安太さんは、数多くの米国出張により、日米の子供教育の違いに気付いていたのです。

「The Game of Life」は、ゲームの中で見事に自立する要素が組み込まれていました。そこがポイントでした。大学費用を親が負担する日本に対し、自己負担で行う米国。佐藤安太さんは、アメリカの「自立」を促す文化に着目し、「チャレンジする価値あり!」として、販売を決断したのです。

人生ゲームは、そこから何度もモデルチェンジを繰り返し、販売から40年近くたった今も、現役商品として活躍しています。

🎲 人生とは自分を成長させる人生ゲーム

人生ゲーム 人生は1マス5年で考えよう

経営には、「安定を目指す経営」「常識に挑戦する経営」など、色々なカタチがあります。もちろん、唯一の正解があるものでもありません。

ゼロからスタートしたタカラのような企業の場合は、挑戦する経営でなければ、成長できなかった。
それが私の性格にも合っていた。

佐藤安太さんは、このように言っています。

失敗には学んで、失敗の中に埋もれている小さな成功を見つけだして、それをコツコツと積み重ねていく。そのために自分の足りないものはなにかと考えて、自分を成長させていく。これが”理想的な人生ゲームの進め方”です。「世間は失敗した人に冷たい」と言われますが、失敗から何も学ばない人には冷たいのです。

「チャレンジする人生の方が、楽しいでしょ」このような考えで、佐藤安太さんは、人生ゲームのルーレットを回していたのです。

🎲 人生ゲーム 人生は1マス5年で考えよう!

いちばんよくないのは、スタート地点に立ち止まってルーレットも回さずに、ゴール(目標)が何か考え込んでしまうことです。「損か得か?」で考えるのではなく、「会社をどのように成長・発展させていきたいか?」。こっちの方が絶対に楽しいですし、新しい一歩を踏み出せますよね。5年ごとにスパンを切って、中期計画を積み重ねることで、会社の目標がよりはっきりしてきます。

これは、経営に限ったことではありません。人生も同じです。例えば、就職活動もそうです。始めに職種を考えるのではなく、自分の人間成長デザインを考えることが重要ですよね。そこを真剣に考えれば、おのずとその成長に見合った仕事が見えてくるはずです。転職する際も、職歴で評価するのではなく、キャリアの中で何を学び、何を身につけたかが重要ですよね。

人生100年時代』。幸せな人生を歩むためには、まずは人生に大きな目標を持ち、とりあえず目先の5年を考えることが重要です。自分を成長させるための”人生の究極の目標”をはっきりさせることが、自分自身の人生ゲームを楽しむコツだと、佐藤安太さんは声を大にして言っています。

🎲 タカラの後継者を育成できなかった佐藤安太

積極的な攻めの姿勢で上場まで果たしたタカラも、内側では大きな問題を抱えていました。事業承継問題です。

佐藤安太さんの後任として1994年に長男・佐藤博久さんが、2000年に次男・佐藤慶太さんが社長に就任しています。佐藤安太さんの時代は、成長につぐ成長、勝負につぐ勝負、常に攻めの姿勢の経営をしてきましたが、次期社長の置かれた環境はまったく違いました。

佐藤安太さんは、仕事に夢中になるあまり、帝王学(経営者としての教育)を子どもたちに授けることができませんでした。どうしたら、後継者の能力を引き出すかがわからなかったのです。

「後継者を育てることができなかった」。これは私の人生の中でも、もっとも大きな失敗となりました。

その結果、タカラはトミーと合併する道を歩むことになったのです。

🎲 タカラとトミーのスピード合併

2005年5月13日、タカラの佐藤慶太会長とトミーの富山幹太郎社長らは、緊急共同記者会見を開きました。タカラとトミーの合併の発表でした。わずか1週間程度のスピード交渉でした。

実は、タカラとトミーの合併話は水面下で何度も出ていたそうです。しかし、両社とも創業50年以上と歴史ある企業。IT企業のように、すぐに合併というわけにはいきませんでした。合併交渉中も、両首脳が激しい議論を戦わせ、全員が退席してしまうことも…。トミーの富山幹太郎社長も、記者からの「合併交渉で一番難しかった点はどこか」という質問に対して、「話すとまた熱くなるから、あまり蒸し返さないで欲しい」と会場の笑いを誘っています。

タカラとトミーは、客観的にみると、両社とも玩具という同じ市場で戦いながら、事業が重複する部分も少なく、製品がそれほどバッティングしない、相乗効果の高い組み合わせでした。新会社の玩具分野の売上規模は約1,500億円近くとなり、流通や生産などで相乗効果が出ています。「子どもたちに良いおもちゃを届けたい」という両社の”おもい”で結ばれた合併となりました。

🎲 佐藤安太の引退生活 ”ものづくり”から”ひとづくり”

佐藤安太さんは辞めるにあたって、中途半端に地位にしがみつくことはありませんでした。顧問や名誉会長の地位にしがみついたら、タカラにとって悪い影響が出ると考えたからです。それどころか、日本玩具文化財団の創設者にも関わらず、玩具業界からのお付き合いも退いたのです。いわゆる、完全引退です。

これは、なかなかできることではありません。完全引退すると、タダの人になってしまうため、それが耐え切れない人が多いからです。佐藤安太さんは、「元タカラ社長」という肩書を嫌ったのです。

リタイアされた方は、趣味に時間を割いたり、旅行に行ったりして、端から見れば、幸せな時間をすごしているかのように見えます。しかし多くの方は、世間の思う”第二の人生のイメージ”をなぞっているだけで、内心は自分の納得のいく第二の人生を見つけようとしてもがいているのではないでしょうか。

タカラの経営から完全に退いた佐藤安太さんは、引退後も精力的にルーレットを回し続けます。後継者を育成できなかったというおもいから、「人の育成」に力を入れるべく、NPO法人ライフマネジメントセンターを立ち上げます。2001年には、佐藤安太実践経営塾を開講。二代目三代目の経営者に対して、教科書にはないノウハウを伝えていったのです。

さらにスゴいのが、大学院入学です。2007年当時に新聞でも「83歳の新入生」と随分と書かれたそうです。3年後の2010年、「未来設計と成功エンジニアリング」の研究で、山形大学より工学博士号を授与されました。そのとき、御年86歳。世界最高齢の博士号が誕生した瞬間です。

🎲 何をもって人生を成功したと考えるか?

人生ゲームのゴールは「億万長者」です。でも、これはゲームの話で、本当の人生のゴールはそうではないですよね。アジア文化圏には、五福という考え方があります。

  1. 寿: 長寿であること
  2. : 経済的に余裕があること
  3. : 健康であること
  4. : 善良な心を持つこと
  5. : 天命を全うすること

佐藤安太さんは、おカネの成功だけではなく、他の四福も得られるために、引退してもなお、自分を高める努力をしつづけていました。「自分の目標、自分の理想の姿は、頭の中で考えているだけでなく、書き出しておいた方がいい」という自身のルーティーンを、貫き通したのです。その証拠に、引退後も5年ごとに「自分の人生憲章」を目の付くところに張り出して、常に行動を見直しています。

  • 生涯青春
  • 生涯創造
  • 生涯健康
  • 生涯現役

佐藤安太さんは、今回ご紹介した著書「人生は1マス5年で考えよう」の中で、「残りの人生はあと2マス」と書き残しています。今までやり残した「世界の平和と社会の進化に貢献する」ことに、自分の命を使いたいと…。

✎ まとめ

キャリアの中で何を学び、何を身につけたかが重要!

世間は失敗から何も学ばない人に冷たい!

人生のルーレットを回すのは自分しかいない!

💬 筆者のひとりごと

2019年3月、佐藤安太さん(享年94歳)は帰らぬ人となりました。最後の最後まで理想を追い求め、取り組む姿勢は、本当に見習うところだらけです。人生ゲームのゴールは、決して億万長者だけではないということを、佐藤安太さんの生きざまが物語ってくれているような気がします。

続けて、おもちゃ屋つながりということで、こちらのコンテンツもご覧くださいませ(๑˃̵ᴗ˂̵)و テヘペロ

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