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人気女優との交際報道や、突然の「月に行く」宣言など、最近何かと話題のZOZOの前澤友作社長が、またも世間を驚かせました。
先ほど適時開示しましたが、ヤフーさんとZOZOは資本業務提携することとなりました。また、このタイミングで僕は代表取締役を辞任し、新社長に今後のZOZOを託し、僕自身は新たな道へ進みます。詳しくは本日17:30からの記者会見でお話しさせてください。
— 前澤友作 (@yousuck2020) September 11, 2019
2019年9月12日、記者会見で明かされたのは、前澤友作さん(43歳)がZOZOの株式をソフトバンク傘下のヤフーに売却し、自身は経営から身を引くというものでした。
ZOZO創業者の電撃退任。「ZOZO=前澤友作」というイメージが大きかっただけに、かなりの衝撃を受けました。まだ43歳ですしね。2,400億円という巨額の買収金額にもビックリしましたが、9月に入ってからたったの二週間でヤフーへの株式売却を決断した前澤さんの決断の早さには心底驚かされました。
さて今回は、電撃引退を発表したZOZOの創業者前澤友作の”勇退”までの道のりを、探っていきたいと思います。
前澤さんは1975年千葉県生まれの43歳です。1993年、高校在学中に「Switch Style」というハードコアバンドを結成し、前澤さんはYOU×SUCKという名前でドラマーとして活躍していました。
右側に寝そべっているのが、前澤さんです。まんま面影ありますよね。今でも、Amazonで購入できるので、ご興味ある方はポチっちゃってくださいね。
高校卒業後は大学には進学せず、アメリカに半年間滞在します。帰国後の1995年に有限会社スタート・トゥデイを友人3人で創業。社名をつけたのは、元カノだそうです。そこも、なんだか前澤さんらしいですね。
先日の記者会見でも「Let’s Start Today!」というTシャツを身につけていましたが、この言葉は、前澤さんを体現している言葉のように思えます。
前澤さんは、バンド活動を続けながら、CDやレコードの通信販売事業を実家の6畳一間の和室で立ち上げました。バンド活動で会社を空ける時は、ご両親が電話受付をしてくれたそうですよ。
音楽事業が勢いに乗ってファッション事業への進出をしたのが、2000年の頃です。ZOZOTOWNの前身となる「EPROZE」というサービスを立ち上げました。
前澤さんは、今までの音楽ファンに対して、洋服の販売を開始したのです。音楽には、その音楽が好きな人が着ていそうなファッションというのがあります。CDやレコードを買ってくれるお客さまは、同じように洋服も買ってくれるだろうという算段がありました。前澤さんが目指したのは、お客さまによってカスタマイズされた、いわゆるセレクトショップ方式のECサイトです。
前澤さんは、ブランド店の狙いもよく理解していました。ブランド店が気にするのは、
ということです。だから、サイトデザインを徹底的にこだわり、出店の順番、業界の慣習や考え方などを踏襲することに的を絞ったのです。
このセレクトショップ方式が、大当たり!!お客さまもブランド店も、「前澤セレクト」を支持。どこが入ってきてもいい他のECサイトとは違い、ZOZOの大きな特徴となったのです。
「ネットでは洋服は売れない」という固定概念を吹っ飛ばし、ファッション業界に革命をもたらした前澤友作さん。この斬新な発想力で、もっともっと活躍してほしいと思っていただけに、早期引退は非常に残念です。引退が早すぎると思うのは、筆者だけでしょうか?
ツケ払い、送料自由、あなただけのタイムセール、こっそり0円企画、WEAR(ウェア)など、期待を良い方向に裏切る斬新な施策が多いのがZOZOの特徴です。ユーモア溢れるサプライズが、ZOZOファンを魅了し続けています。
ちなみに、ZOZOTOWNの名前の由来は、「想像(SOZO)・創造(SOZO)が行き交う街(TOWN)」です。この二つのSOZOから「ZO」を抜き出して名付けられました。このネーミング、斬新な発想で次々とサービスを創り出す、前澤さんらしさがありますよね。
ご存じの方も多いとは思いますが、せっかくなので前澤さんのサプライズ集を、一緒に振り返っていきましょう!
前澤さんは、日本を代表するアートコレクターとしても知られています。2017年5月、アメリカの競売会社サザビーズのオークションで、ジャン=ミシェル・バスキアの作品を約123億円で落札しています。
世の中に存在しない新しい価値観を生み出す前澤さんの感性は、このアート感覚から磨かれたのかもしれませんね。
千葉に本社があるスタートトゥデイ(現:ZOZO)は、2010年にロッテの本拠地の千葉マリンスタジアムの命名権取得に応募します。残念ながら、このときは取得できませんでしたが、その後、2016年12月から10年間の命名権を31億円で取得し、千葉マリンスタジアムの名称を「ZOZOマリンスタジアム」と変更しました。
「地元幕張の活性化をサポートしたい」という気持ちの強い前澤さんは、2018年7月には「プロ野球団を持ちたい」と宣言していましたね。
前澤さんのツイートをリツイートした人の中から、抽選で100名に100万円をプレゼントするという、「総額1億円のお年玉キャンペーン」で、前澤さんを知った人も多いのではないでしょうか。当時の一体感というか、メディア独占は本当に凄かったですよね。広告宣伝効果は、かなりあったと思います。
色々と物議を醸した企画でしたが、実際に当選した100人の人たちを見てみると、その多くがアートに携わっている人たちで、明らかに新人のアーティストを発掘しようという意図がありました。お年玉キャンペーンから夢と希望をもらったアーティストもきっと多かったに違いありません。
2019年4月25日の決算説明会で、プライベートブランド事業の海外展開の見直しを発表しました。「ゾゾスーツ(ZOZOSUIT)」を利用した独特な採寸方法により、一人ひとりの体型に合ったアイテムをオーダーメイドで製造販売するものでした。
ネット上でもZOZOSUITを着た人があふれかえっていたので、見かけた方も多いのではないでしょうか。今だに着てるダイエット系YouTuberやTikTokerの方もいますよね。全部の部位のサイズがわかるから、ダイエット意識が芽生えた方も多そうですね。
2018年9月、前澤さんはスペースXのイーロン・マスクCEOとともに記者会見を開き、
「子どもの頃から月が大好きだった。月を見るだけで想像力が満たされた。
この機会を逃すことはできないと考えた」
と英語でスピーチ。
2023年に予定している月周回飛行に、民間人として初めて参加すると発表しました。会見当初は、6〜8人のアーティストを同行させるプロジェクト「#dearMoon」というプロジェクトも考えていたそうです。ところが、前澤さんがZOZOを退任してしまったので、このプロジェクトがどうなってしまうのか、気になるところですね。
前澤さんは、保有する株式のおよそ36%のうち30%ほどをヤフーに売却。約2,400億円を手にして、ZOZOの経営から退きます。退任の決断に至った理由については、
「ZOZO社というのは、いろんな課題に直面している今、
経営の考え方、体制、抜本的に変わるべきタイミングだったと思う」
と話しました。
前澤さんの凄さは、「決断」できるところにあるともいえます。斬新なアイデアを思い付いたとしても、並みの経営者であれば躊躇してしまうこともあると思いますが、前澤さんの場合はそれがありません。
「本気で仕事を楽しむ労働者を増やす」という目的で作られた、一日6時間労働制「ろくじろう」という制度を導入した際には、「明日から全てのパソコンをなくそう!」と言い放ち、役員の度肝を抜いています。この発想、スゴいですよね。残念ながら、周囲からの猛烈な説得にあい、やむなく断念したそうでが、前澤さんは週に三日勤務を実践していました。
また、初のリアルイベント「ZOZOCOLLE(ゾゾコレ)」を開催したときも、お客さまが本当に集まるのか不安に思う運営スタッフに向けて、前澤さんは「お客さまが来なくて商品が買われなかったら、俺が全部買ってやる」と言ったそうです。この言葉のおかげで、運営スタッフの士気も上がって、無事イベントも成功しました。
社員が新しい挑戦をして、うまくいかなかったとき、「せっかく時間と費用をかけたのに」とか、「大々的にやるって言ってしまったし…」などと悩んでいるのを見て、前澤さんは潔く「よし! 辞めよう」と言い切ったりもします。
やるときも、やめるときも、決断が早いのがZOZOの特徴であり、前澤さんが築き上げたZOZOのDNAです。当たり前かもしれませんが、失敗したときに「責任を部下に押し付ける」なんて野暮なマネもいたしません。
記者会見で、社員の話になると、「ちょっと感極まってしまいまして」と目に涙を潤ませた前澤社長。きっと、社員との楽しかった思い出にウルっときたのではないでしょうか。
記憶に新しいのが、2018年10月1日「スタートトゥデイ」から「ZOZO」に社名変更したときの、日経新聞の一面広告です。「拝啓、前澤社長。」と題した社員からの心温まるメッセージを、ぜひご覧ください。
拝啓、前澤社長。
この半年ほど、社長が次々と巻き起こす話題や騒動。自分が務める会社の社長ながら、社員としては若干呆れて見ていました。
女優さんと恋愛するのも、プロ野球チームを持ちたいと夢を語るのも、月にアーティストを連れて行くのも、どれも悪いことではありません。どうぞご自由に!と思います。
しかし、メディアの注目を集めまくる社長の姿をテレビの画面やネット記事で見ていると、私たちが知っている社長とは違うイメージが独り歩きをし、「ZOZOTOWN」やプライベートブランド「ZOZO」までもが、客様から嫌われてしまうのではないかと不安に思うときもありました。
でも、先日、日本はおろか、地球にとどまることなく月へ、宇宙へ羽ばたこうと子供のように興奮しながら夢を語る社長の笑顔を見て、ついに私たち社員も変わらなければいけないと決意しました。
「人生は自分次第、会社は社員次第。」
これから株式会社ZOZO、プライベートブランド「ZOZO」を地球規模に普及させ、世界的なアパレル企業を目指して行く「第二の創業」は社長だけでなく、
私たち社員が主役です。
「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を」届けるために、まずは私たち社員が社長よりもカッコよく、社長よりも笑顔を目指し、楽しく働いていきます。
社長、安心して月へ行ってらっしゃい!敬具
二〇一八年十月一日
株式会社スタートトゥデイあらため
株式会社ZOZOグループ社員一同
前澤社長の確認なしに、一面広告を出すZOZO社員。
手紙のなかで社員たちは、前澤さんの破天荒ぶりをイジりつつ、「私たち社員も変わらければいけない」と決意表明し、社長が月へ行くことを快く送り出しています。
これに対して、前澤さんも「控えめに言って幸せ」とTwitterでつぶやいています。
社名変更の新聞広告出しますが、社長確認なしでいいですか?ってこういうことだったのね。まあ控えめに言って幸せだわ。返信:社員たちへ、もっともっとやれ!笑。 pic.twitter.com/8BbadIjDdB
— 前澤友作 (@yousuck2020) October 1, 2018
社員との”固いキズナ”で結ばれた前澤社長は、本当に幸せ者ですよね。
今回、前澤さんが引退を考え始めたのが、9月に入ってからだと言います。この発言を信じるとするならば、二週間という極めて短期間での株式売却に踏み切ったということになります。前澤さんが大きな決断ができた背景には、社員が確実に育ってきたという実感があったからではないでしょうか。
社員とのこのような関係は、一朝一夕で作り上げられるものではありません。メディアで見る前澤さんと実際の前澤さんには、かなり隔たりがありそうですね。私たちは、前澤さんの過激な言動ばかりに目を奪われていましたが、今思えば、この新聞広告が「前澤社長引退の布石」だったのかもしれません。
これからのZOZOの舵取りは、今まで前澤さんを実務面で支えてきた澤田宏太郎さん(48歳)が行うことになります。「ZOZOはトップダウンから、社員一人ひとりの力を生かす経営に移行する」と宣言し、市場も新社長の就任に好感を示しているようです。また、買収するヤフーは今秋オープン予定の新しいECサイト「PayPayモール」にZOZOTOWNを出店させて、手薄だった若年層の獲得を図り、EC事業のさらなる拡大を見込んでいます。両社の株価動向にも要注目ですね。
カリスマ創業者が去った今、これからが本当の実力、”第二創業”が試される時です。自立した”社員が主役”の新生ZOZO。”想像力”と”創造力”で、新たな活路を見出し、世界を代表する企業へと羽ばたいて欲しいですね。
「Let’s Start Today!(さぁ、今日から始めよう!)」
世間の論調を見ると、前澤さんの選択を「無責任だ」と責める発言が少し目立つような気がします。若くして引退するため仕方のないことかもしれませんが、個人的には「新たな道を歩む社長の決断を、全力で応援する文化を育てていけたらいいな」って思っています。
続けて、こちらのコンテンツもご覧くださいませ(๑˃̵ᴗ˂̵)و テヘペロ
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