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KADOKAWAとドワンゴの経営統合~これから始まる新しい物語に期待~

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大学卒業後、会計事務所・M&A専門会社(現在、東証1部上場)を経て、平成20年株式会社コスモスコンサルティングに入社。 「答えは、社長の心の中にある」がモットーで、社長の話に真摯に耳を傾け、企業の発展と存続のため、社長と後継者の真の気持ちに重きを置いた事業承継対策・勇退のサポートに取り組んでいる。 詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。 ☞ プロフィール

先週、久々に興味深いニュースが飛び込んできました。

5月14日、角川書店などで知られる大手出版社KADOKAWA<9477>と「ニコニコ動画」で有名なネット企業ドワンゴ<3715>の経営統合が発表された。新会社名は「KADOKAWA・DWANGO」。10月1日の設立が予定され、新会社会長にはドワンゴの川上量生会長が就任する。(記事提供元:エコノミックニュース

M&Aに携わる立場として、またニコニコ動画の”見る専”としても、その背景がとても気になるところです。ということで、今回は、「KADOKAWAとドワンゴの経営統合」を探っていきたいと思います。

この記事は、こんな人におすすめです!
  • 川上量生さんのことが気になって仕方のない人
  • 社内に後継者がいない人
  • 変人さんが好きな人

老舗企業KADOKAWAが選んだ生き残り策

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photo credit: kadokawa

KADOKAWAは、出版社らしからぬ積極的な経営姿勢が見られる会社です。筆者のKADOKAWAのイメージは、やっぱり薬師丸ひろ子さんの”セーラ服と機関銃”です。内容は完全に忘れてしまいましたが、「快感(カ・イ・カ・ン)!」というセリフだけは強烈に覚えています。

いわゆる”メディアミックス”の先駆け的な存在で、小説と映画を組み合わせ、一時代を築いた老舗の出版社という印象です。そんなKADOKAWAの角川歴彦(つぐひこ)会長が、後継者として指名したのが、ドワンゴの川上量生(のぶお)さんです。

世界を切り拓く変人 川上量生さん

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photo credit: ascii

前々から、ネット上で経営統合の噂は飛び交っていましたが、筆者にはそれなりのインパクトがありました。はっきり言って、このような経営統合はなかなか難しいと考えていたからです。通常、大企業といえども、社内から後継者を選ぶのが多いものです。老舗企業ならなおさらです。それなのに、角川会長が指名した後継者は、革新的な発想をする異業種の人材でした。

これは、社内の軋轢などを考えると、なかなか取りづらい選択肢です。角川会長もいろいろと頭を悩ませたこともあったと思います。しかし、事業の将来を考え、ドワンゴの川上量生氏の創造力に未来を託したのです。いろいろとあったと思いますが、会見での角川会長の表情は、私にはとても爽やかに見えました。

STUDIO GHIBLI

photo credit: ghibli

では、ドワンゴ会長の川上氏とはどんな人なのでしょうか。京都大学工学部を卒業したエリートなのですが、とても革新的な発想をする人です。その交友関係をみても、かなりユニークです。2ちゃんねるの元管理人ひろゆきさんなど革新派と交遊がある一方、スタジオ・ジブリの鈴木敏夫氏などの大御所ともつながりがあります。川上氏は、ドワンゴの代表取締役会長という肩書きを持ちながら、スタジオ・ジブリの社員として、鈴木敏夫氏の“カバン持ち”をしていることでも有名です。このことだけでも、常人には理解しがたい、凄まじいバイタリティの持ち主であることがわかります。

ドワンゴの伝説とニコニコ動画の名前の由来

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photo credit: nicovideo

ドワンゴといえば、最近では入社試験時に受験料制度(2,525円)を導入し、厚生労働省から行政指導を受けたり、ニコニコ超会議で大盛り上がりしたり、いろいろと物議を醸す会社だというイメージがあるかもしれません。でも、ホントはものすごくロマン溢れる会社なんです。

ドワンゴは、着メロなどの携帯電話向けのサービスを主としていましたが、ニコニコ動画で爆発的な人気を博した会社です。元々、ニコニコ動画(β)は、Youtubeの動画上のコメントを楽しむというサービスでした。それが、開始から半年ほどで100万人ものユーザーを集める人気サイトとなったことで、YouTubeから突然アクセスを拒否されるという事態に追い込まれました。これは、サービス存亡の危機です。ドワンゴは、この危機に対し、たった一週間で自前の動画投稿サーバの構築し、見事に独自のサービスを作り上げてしまいました。まさに、ピンチをチャンスに変えた会社であると言えます。

ちなみに、”ニコニコ動画”という名前の由来は、著作権問題による訴訟が多かった動画サービスを提供する上で、できるだけ怒られにくくすることを目的に考えられたそうです。あまり褒められたことではないかもしれませんが、常人の上をいくユニークなネーミングですね。

 KADOKAWAとドワンゴの経営統合後の世界

kadokawangoニコニコ動画がヒットした最大の原因は、人気のアニメやゲームといったコンテンツを使って、みんながそれをネタにしたり、突っ込んだりして、コミュニケーションを楽しむプラットフォームを作ったところにあります。それは、著作権との戦いでもありました。一見ふざけているように見えますが、ニコニコ宣言を見てもその心意気は伝わってきます。

著作権上の問題から尻込みする大手出版社を横目に、二次創作の可能性に反応したのが、KADOKAWAでした。コンテンツは引用されることにより、より活かされる。つまり、二次創作が繰り返され、拡散され続けるかぎり、コンテンツの寿命は伸びていくのです。

そのことにKADOKAWAは、気づいていたのです。だから、電子書籍にコメントがつく”ニコニコ静画”というサービスを開始し、2010年ドワンゴと包括的業務提携契約を締結しました。おそらく、この一件が、今回の経営統合に結びついているのでしょう。今後、KADOKAWA・DWANGOは、両社の強みを生かした新しいコンテンツを海外に発信していく予定です。川上氏なら、著作権問題に果敢に挑んで、きっと、日本初の誰も見たことのない”新しい物語”を創造してくれるに違いありません。

筆者のひとりごと

角川会長は、このまま紙媒体への依存が続くと、いずれ経営がジリ貧になる可能性があるという危機感を持っていたのだと思います。抜本的な改革を進めるには、内部にふさわしい人材がいなかったのでしょう。だから、デジタル分野に強く、思い切った一手が打てる川上氏に会社の将来を託したのです。”新しい物語とつくろう。”というKADOKAWAのキャッチフレーズを、自身の引退時にもそのまま実行に移した角川会長に『アッパレ!』と言いたいです。

次は、「円谷プロのお家騒動~ウルトラマンを承継できなかったずさんな同族経営~」をご覧下さいませ(๑˃̵ᴗ˂̵)و テヘペロ

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