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同族会社サントリーが社長を招へい~ローソン新浪剛史氏を後継者に~

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会計事務所・M&A専門会社(現在、東証1部上場)を経て、㈱コスモスコンサルティングに入社。現在は、「社長勇退ドットコム」管理人を務めている。 「答えは、社長の心の中にある」がモットーで、社長の”おもい”に耳を傾け、会社の”成長”と”発展”のため、戦略的事業承継対策・勇退のサポートに真摯に取り組んでいる。 詳しくは、こちらのプロフィールをご覧くださいませ(*´з`)

いやぁ、寝耳に”水”でした。まさか、同族会社の代名詞であるサントリーが、外部から社長を招へいするとは、思ってもみなかったです。

サントリーは、明治32年の創業以来、115年もの間、創業家が経営トップを務めており、創業家以外からは新浪剛史氏が初めての社長だそうです。

サントリーホールディングス(HD)は23日、ローソンの新浪剛史会長(55)を10月1日付で社長に招く人事を固めた。佐治信忠会長兼社長(68)は代表権のある会長に専念する。創業家出身者以外の経営トップは初めて。グローバル化などの課題を解決するため、他社で経営者として実績を残した人材を迎え入れる動きが日本企業の間でも広がってきた。(記事提供元:日本経済新聞

個を動かす 新浪剛史 ローソン作り直しの10年

さて今回は、サントリーにみる”同族会社の社長招へい”について考えてみたいと思います。

この記事は、こんな人におすすめです!
  • サントリーのことに興味がある人
  • プロ経営者に任せたい人
  • 家族で経営をしている人

サントリーのチャレンジ精神「やってみなはれ」

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「やってみなはれ。やらなわからしまへんで」 この言葉は、苦難を乗り越え国産の洋酒を広く根づかせた、サントリー創業者の鳥井信治郎氏の口癖です。部下への指示はいつも「やってみなはれ」。”自らの挑戦心こそ企業活力の源泉”と考え、そのことを体で示してきた創業者です。

二代目の佐治敬三氏に社長の座を譲った際も、ビール事業参入を夢見る息子に向かって、ひとこと「やってみなはれ」とゴーサインを出しました。その当時、ビール市場は大手が牛耳っていたため、誰の目から見ても苦戦は明らかでした。しかし、息子の並々ならぬ決意に、鳥井氏は見守るという決断を下したのです。親子ともに、熱き”漢のロマン”を感じますね。

やってみなはれみとくんなはれ (新潮文庫)

それから46年の月日が流れ、2008年にプレミアムモルツの爆発により、悲願の黒字を達成しました。要した年数は、46年。ここまでの長きにわたって、諦めずにやり続ける企業は、世界を見回しても類を見ないと思います。これは、「非上場のオーナー企業だからできる」というレベルを逸脱しています。佐治敬三氏の「成功するまで諦めまへんで」という粘り強い執念と、鳥井信治郎氏の「やってみなはれ」というチャレンジ精神かき立てる温かい雰囲気が、社内に脈々と浸透されている証です。

ちなみに、サントリーフラワーの遺伝子技術による”青いバラ”の開発には、14年という年数を要しました。この間、開発者たちは、経営陣から一度たりとも「撤退」という言葉を突き付けられなかったそうです。経営陣が、このように肝要な態度を示してくれたら、従業員の士気が高まらないはずはありません。「やってみなはれ」の精神は、サントリーをサントリーたらしめる象徴的な言葉であり、他社が真似しようにも真似できない偉大なDNAと言えるのではないでしょうか。

同族会社の経営に対するイメージ

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photo credit: kevin dooley via photopin cc

一般的に、「同族経営は3代でつぶれる」と言われています。

  • 創業者は、自分で会社をゼロから作り上げ、会社の全てを把握しているため、大きな問題がない。
  • 二代目は、初代が苦労している姿を小さい頃から傍で見ているので、経営の勘所が自然と身に付きやすい。
  • 三代目は、会社は既にかなり大きくなっているため、苦労をあまり知らない。回りからはちやほやされることが多く、能力を過信することで、会社を危うくする可能性がある。

サントリーは、この法則に当てはまりませんが、多くの同族会社にとっては、「当たらずとも遠からず」と言ったところではないでしょうか。特に、事業を立ち上げた創業者は、二代目が頼りなく映るものです。事業を継続させるために、同族会社のメリットとデメリットを加味したうえで、対策を練る必要があります。

同族会社のメリット

  • 株式買収による経営権が奪われるリスクが低い
  • 株式に左右されない経営ができる
  • 利益配分を調整できる
  • 社長交代など、経営陣の意向を円滑にできる
  • 次期社長候補を早期の段階から計画的にキャリア形成できる
  • 経営者の収入を家族に分散させることにより税金を削減できる  など

同族会社のデメリット

  • 能力のない同族が要職につき、社員のモチベーションが下がる
  • 大株主の権限制限など、法的な制限が課せられる
  • 経営者が会社を私物化してしまう
  • 経営者が気に入らない社員を解雇してしまう
  • 「イエスマン」比率が高く、問題が表面化しない  など

外部招へいによる抜本改革の検討

photo credit: marfis75 via photopin cc

photo credit: marfis75 via photopin cc

身内にしろ第三者にしろ、社内に後継者がいる場合は、内部から昇格することがほとんどです。この場合、社外の人材を社長に招へいするという選択をしにくいものです。しかし、新たな改革を推し進めるには、社内の人材だけではどうしても難しいことがあります。サントリーが新浪氏を招へいしたのも、グローバル化をはかるうえで、新しい風を吹かす必要があるとの判断からです。

会社を大きく伸ばそうとすると、社長を外部から招へいすることも視野に入れておかなければなりません。優秀な若手や学生の獲得も大切ですが、少し大きな視点で捉えてみることも重要です。客観的な第三者の手に委ねることで、見えてくる世界は必ずあります。とは言っても、闇雲に招へいすれば良いものでもありません。外部からの招へいで特に気を付けるべき点を、3点列挙しておきます。

  1. 社長の考えと一致しているかどうか
  2. 自社の社風に合うかどうか
  3. 何をしてもらうか

外部から新しい血を入れる際には、これらの点に注意して、検討しなければいけません。

筆者のひとりごと

サントリーの佐治信忠社長は、「新浪氏の国際的人脈と(サントリーの企業理念である)『やってみなはれ』エネルギーはサントリーにぴったりだ」とインタビューで語っていました。このインタビューから、上記の3点はクリアしていることがわかります。小売とメーカーという違いはあれども、世界を飛び回るエネルギッシュなバイタリティで、中継ぎとしての役割をしっかりと果たすに違いありません。今後の世界戦略を考えると、2~3年かけて上場に持っていくのではないでしょうか。

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