
お電話でのお問い合わせ (サイサン ミナオシ)050-3136-3704
映画「アイアンマン」は、巨大軍需企業(スターク社)の社長で経営者のトニー・スタークが、天才的な才能で技術開発や発明を行い、パワードスーツと呼ばれる戦闘服を身につけアイアンマンとして活躍する物語です。
この映画の主人公のモデルになった人物がいるのは、みなさんご存知でしょうか。このハチャメチャな主人公にモデルがいること自体、驚きですが、このモデルとなった人の人生を調べてみると、映画顔負け、もっとハチャメチャでした(笑)。
さて今回は、映画アイアンマンのモデルにもなった、今、世界で最も注目される経営者、イーロン・マスクさんを探っていきたいと思います。
イーロン・マスクさんは、ネット決済の仕組みを根底から変えたペイパルの創業者であり、現在は3つの会社のCEOを務めています。
これらの事業は、全て国家レベルのどデカい事業なのに、1人で全部手がけています。なんか、かっこ良すぎです。しかも、イーロン・マスクさんのキャッチフレーズを見てみると、どれもスケールの大きいものばかり。
ちなみに、イーロン・マスクさんは、名だたる経営者ランキングにも、1位に名を連ねる常連さんです。
このイーロン・マスクさんのすごいところは、行動力と不屈の精神です。全てにおいて決断力が尋常ではないのです。とにかく一貫して即決です。周りがどんなに批判しようと、巨額なリスクを背負おうと、一貫して即決をしていくのです。それは、大学時代からほぼ変わっていないようです。
アメリカのペンシルベニア大学で物理学と経営学を学んだイーロン・マスクさんは、スタンフォード大学の大学院に進学しましたが、たったの2日で辞めてしまいます。スタンフォード大学といえば、ヤフー、グーグルといった、シリコンバレーを代表するIT企業を生みだしている名門大学です。
普通なら、なかなか決断できるものではありませんが、たったの2日で辞める決断を下しています。
大学院を2日で辞めたイーロン・マスクさんは、弟と一緒にオンラインコンテンツ出版ソフトを提供するZip2社を創業します。そして、そのZip2社をコンパック社に3億ドルで売却し、2,200万ドル(約22億円)を手にします。
28歳の時には、オンライン決済サービスを提供する「X.com(現在のPaypal)」を創業し、3年後にはeBayに15億ドルで売却して、1億7千万ドル(約170億円)を手にします。
まさに、現代版わらしべ長者です。これらの売却で得た資金が、イーロン・マスクさんを次なるステージへとかりたてることとなるのです。
余談になりますが、巨額のマネーを得たのは、イーロン・マスクさんだけではありませんでした。ペイパルに関わったメンバーは、ペイパル株式を売却した資金を有効に活用し、ビジネスの世界を拡げていきます。”マフィア“ばりのネットワークと資金力を駆使したことから、ペイパル・マフィアと呼ばれています。
このペイパル・マフィアたちが、後に築いた会社は、錚々(そうそう)たるメンツです。詳しくは、過去記事をご覧くださいませ。
どこかで聞いたことのある会社ばかりではないでしょうか。錚々たる会社の中で、サイバー空間ではなく、リアルな世界にチャレンジしているのが、イーロン・マスクさんなのです。これは、ますますイーロン・マスクさんに興味が湧いてきちゃいますね。
イーロン・マスクさんの最終ビジョンは、”人類の火星移住”です。
「・・・。」
はい、それが普通の反応だと思います。もちろん、筆者もそうでした。初めは理解不能でした。いや、今もあまり理解はできていないと思います。
でも、これはホラ話ではありません。イーロン・マスクさんは大マジメに人類の未来を考えています。
「地球の人口は70億人を突破し、2050年には100億人に迫る。環境破壊や食料・水不足は進み人類は地球以外の惑星に移住する必要がある。だから、人類を火星に送れるようにしたい」と思い、30歳の時に、SpaceXを創業します。
「自然環境をこれ以上壊さないためには、ガソリン車ではなく電気自動車が普及させなければならない」と思い、33歳の時に、電気自動車メーカーTesla Motorsに出資し会長になります。そして、37歳の時に、CEOに就任し、39歳の時に、米ナスダックに上場させます。(自動車メーカの上場は、フォード以来54年ぶり)
「二酸化炭素排出を減らすことで、火星への移住をする時間を稼ぎだすことになる」と思い、35歳の時に、太陽光発電企業Solar Cityを従兄弟と創業し、会長に就任します。そして、41歳の時に、米ナスダックに上場させます。
全ては地球の未来のために、人類を火星に移住させるために、イーロン・マスクさんはそのお金と時間と能力を注いでいるのです。「1社目の成功は運」と言われるビジネスの世界で、M&Aや上場を繰り返すイーロン・マスクさんの実力は測り知りません。本来、国家が担うべき宇宙開発という大事業を、自分でやってしまおうっていう発想事態、スゴいことです。
31歳のときに、PayPalを売却して得た資金が170億円です。これだけあったら、80歳まで生きたとしても、毎年3.4億円を50年間使える計算になります。遊んで暮らすことだって可能です。それなのに、失敗を恐れず、個人資産を投じて宇宙開発事業に乗り出したのです。
イーロン・マスクさんをここまで駆り立てたものとは、一体何だったのでしょうか。
「地球上の人口は70億人を超え、2050年には100億人に迫るという。だが、二酸化炭素は増え、海面は上昇し、自然環境はさらに悪化。人類はいずれ地球以外の惑星に住まなくてはならなくなる。だから、人類は火星をベースステーションに、複数の惑星にまたがる種になる必要がある」
近い将来、人類が地球外に暮らさなければならなくなってしまう。そう確信したイーロン・マスクさんは、これから訪れる人類の未来を真剣に憂い、自らの命を使って、この宇宙開発という事業に取り組むことを決意したのです。
使命に燃えるイーロン・マスクさんは、早速NASAのサイトを徹底的に調べあげます。そして、NASAが火星への有人探査を真剣に計画していないことを知り、愕然とします。しかも、その理由が技術的な問題ではなく、コストだけの問題ということを失望します。
「NASAがやらなきゃ俺がやる!」と決意し、31歳でスペースX社を創設します。なんとも、男らしい理由で宇宙開発に乗り出したのでした。
民間でロケットを作るには、10億ドル(1,000億円)かかるとNASAから言われていたそうです。PayPalの売却で得た170億円という資金が、一瞬で吹っ飛ぶ計算になります。普通の人だったらおもわず怯(ひる)んでしまう金額です。
それなのに、イーロン・マスクさんは、この大事業に果敢に挑み、そして、なんと7億円という極めて低いコストでロケット開発を成し遂げたのです。
コストを大幅に削減するためにまず行なったのは、原価率(材料費)の徹底比較です。車の原価率が20%、パソコンの原価率が90%と言われる中、ロケットはたったの2%、しかも残りの98%は、全て外注だということが判明したのです。さらに、全て相手の言い値という、NASAのコスト意識の低さもわかってきました。
この事実を知ったイーロン・マスクさんは、自社で部品を全て設計し、パーツを量産して、たくさん稼働することができれば、高コスト体質を脱却できると確信したのです。そして、すぐさまそれを実行に移します。
イーロン・マスクさんのコスト削減に対するアプローチは、スケールが違います。
ロケットを使い捨てるのではなく使いまわしたり、コストのかからないスタンドの建設したり、そのアプローチは、常人が取り難いスケールで行われていきます。全体を俯瞰して捉え、ありとあらゆるコストを見直ていくのです。そして、当初NASAから言われていた1,000億円のわずか0.7%、7億円という驚異的なコストで、見事にロケット開発を実現してしまったのです。
電気自動車や太陽光発電を普及させることは、火星への移住を実現させる時間を稼ぎだす手段です。しかし、手段として捉えるだけではなく、パーツを量産する仕組みとしての思惑もあったです。
ロケット事業、電気自動車事業、太陽光発電事業、これら3つの事業を同時に取り組むのも、全てはコスト削減、ひいては人類救済につながっていると信じていたからこそ、成し得たことなのです。
イーロン・マスクさんのロマンとソロバン、測り知れません。
電気自動車といえば、バッテリーをたくさん積まなければいけないので、そのボディはどうしてもボッテリとしたものがほとんどでした。その既成概念を吹き飛ばしたのが、イーロン・マスクさんです。
ノートPCのバッテリーを搭載し、フェラーリより早く、ポルシェより安い高級スポーツカー。ハリウッドスターのレオナルド・ディカプリオ、モーガン・フリーマン、キャメロン・ディアスらがこぞって購入している電気自動車こそ、テスラモーターズのロードスターです。
Teslaの公式YouTubeチャンネルに、インパネ部分が紹介している動画がありましたので、まずは、こちらの動画をご覧ください。
どうでしょ、美しいですよね。まさに、コックピット。ボディだけではなく、その内装にいたるまでこだわり尽くされており、とことんまで妥協することなく、改善に改善を重ねた賜物でしょう。そして、なにか近未来を感じさせる斬新なデザインです。日本で発売されたら、ぜひとも購入したい逸品です。(テスラ・モーターズ日本公式サイト)
デザインとテクノロジー、そしてビジネスを絶妙なバランスで融合し、全く新しい製品を提供することができるのが、イーロン・マスクさんなのです。
「考えるためのフレームワークは物理学です。原理と推論、つまり物事を本質的な真理まで煮詰め、そこから推論する。私たちは、生きていく上でアナロジー(ものまね)で推論します。これは、本質的には人のしていることをまねて、少しだけ変えるということです。それは必要なことです。しかし、何か新しいことをする場合は、アナロジーじゃなく、物理学的なアプローチが必要なんです。物理というのは、量子力学のような、直感に反する、新しいものを見つける方法なんです」(情報提供元:TED)
TEDのインタビューで、考えるためのフレームワークについて、このように語っています。よく日本人は新しいモノを生み出すのが苦手だと言われています。しかし今、日本人に求められているのは、イーロン・マスクさんのように物理学的にアプローチすることなのかもしれません。
数々のM&Aや上場を繰り返してきたイーロン・マスクさんも、スペースXの上場には慎重になっています。ちなみに、2013年6月には、Twitterで「スペースXのIPO(新規株式公開)は、火星へ定期的に宇宙船が飛び立つようになってから」とつぶやいています。
No near term plans to IPO @SpaceX. Only possible in very long term when Mars Colonial Transporter is flying regularly.
— Elon Musk (@elonmusk) June 6, 2013
自分の死後、スペースXの人類火星移住計画がブレないように、最初の結婚でもうけた5人の子供たちに、会社経営を委ねる意向のようです。
「どこかのPEファンドに経営を支配され、短期的な利益を得ることに使われるのだけは勘弁してほしい。そうなったら最悪です」(情報提供元:COURRIER)
この言葉一つとってみても、イーロン・マスクさんの宇宙開発事業にかける並々ならぬ意気込みが伝わってきます。私利私欲のために子供に託すのではなく、会社、そして人類の未来を考えて後継者を指名する姿勢は、まさに事業承継のお手本と言えますね。
プライベートでは、二度の離婚を経験しているイーロン・マスクさん。一度目の離婚の後、設立した2つの会社が最大の試練を迎えている時に、ハリウッド女優タルラ・ライリーさんと結婚しています。そのメンタルたるや半端ありません。
ちなみに、今はバツ2の独身貴族で、現在の恋人はキャメロン・ディアスさんだそうです。そういえば、キャメロン・ディアスさんは、ジム・キャリーさん主演の映画「Mask(マスク)」でヒロインを演じています。マスクとマスク・・・。これは、何かの運命か??
続けて、こちらのコンテンツもご覧くださいませ(๑˃̵ᴗ˂̵)و テヘペロ
☟ ☟ ☟ ☟
本ブログを、最後までお読み頂きまして有り難うございます。よろしければ、”いいね!”や”シェア”をして頂くと、励みになります。どうぞ応援よろしくお願いいたします。