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ウォルト亡き後のディズニー社の救世主マイケル・アイズナー

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大学卒業後、会計事務所・M&A専門会社(現在、東証1部上場)を経て、平成20年株式会社コスモスコンサルティングに入社。 「答えは、社長の心の中にある」がモットーで、社長の話に真摯に耳を傾け、企業の発展と存続のため、社長と後継者の真の気持ちに重きを置いた事業承継対策・勇退のサポートに取り組んでいる。 詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。 ☞ プロフィール

それにしても、”アナと雪の女王 ”ヒットしていますね。筆者も、あの歌声に導かれて、久々に劇場に足を運んでしまいました。最近では、ピクサー映画に押されていた感がありましたが、ディズニーとしては、久々のヒットかもしれませんね。

さて、今回は、天才ウォルト・ディズニー亡き後、ディズニー社がどのような歩みをしてきたか、探っていきたいと思います。    アナと雪の女王 MovieNEX [Blu-ray]

オリジナルストーリーが少ないディズニー社

エオウィン・スミス氏が作成したディズニー世界地図

エオウィン・スミス氏が作成したディズニー世界地図

アナと雪の女王は、アンデルセン童話”雪の女王”からインスピレーションを受けて作られたストーリーです。今まで50本を超える長編アニメを発表しているディズニーアニメですが、”ミッキーマウス”を除いて、童話を元にディズニー風にアレンジしたものがほとんどです。ディズニー好きを公言するエオウィン・スミス氏が作成した世界地図を見ると、このことがよくわかります。

  • アラジン・・・アラビアの”千夜一夜物語”
  • 美女と野獣 ・・・フランスの民話
  • くまのプーさん ・・・イギリスの童話 …etc

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ミッキーマウスのイメージが強いイメージでしたが、このような事実を見せつけられると、改めてオリジナル作品が少ないことがわかります。実は、ディズニー社は、ウォルト・ディズニーさんの時代から、童話をリメークしています。この頃から、オリジナリティがないとか、作品を作るシステムがないと言われていたようですね。これは、ディズニー社が抱える構造的な問題だと言えるかもしれません。

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ディズニー社の盗作疑惑

ディズニー社は、アニメーションのパイオニアですが、実は盗作疑惑がたえない会社でもあります。有名な話は、「ディズニー初のオリジナル作品」と大きく宣伝されたライオン・キング です。

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この作品は、日本の手塚治虫さんの名作”ジャングル大帝”と類似する点があまりにも多かったため、全米でも取り上げられ、大きな議論を巻き起こしました。しかし、手塚プロダクションが、「もし手塚本人が生きていたら、『自分の作品がディズニーに影響を与えたのなら光栄だ』と語っただろう。」とコメントを発表したため、自体はようやく収束に向かったそうです。ロマンに生きる手塚治虫さんの気持ちを配慮した日本人らしいエピソードと言えますが、対応が少し甘いかなぁと思ってしまうのは、筆者だけでしょうか。

偉大なアイデアマン ウォルト・ディズニーの訃報

walt-disney

1966年、ディズニー社の基盤を揺るがす一大事件がおきました。ウォルト・ディズニーさんの訃報です。その時、後を継いだのが、兄のロイ・O・ディズニーさんです。しかし、御託にもれず、ディズニー社も、親族やその役員の間で、激しい相続・権力闘争が繰り広げられことになるのです。

70年代以降は、映画部門が低迷し、ディズニーランドの入場者も減少してしまいます。これは、生命線である映画作りを怠ったことに他なりません。1984年には、事業家によるディズニー株の大量買占めによる、ディズニー乗っ取り計画が表沙汰になります。ディズニー社の危機感が最大に高まった時でした。この買収を阻止するため白羽の矢がたったのが、ABC放送の副社長として、経営を立て直した実績を持つマイケル・アイズナーさんでした。

マイケル・アイズナー氏によるディズニー再建

Michael Eisner, CEO of The Walt Disney

マイケル・アイズナー氏が、まず力を入れたのは、低迷しきった映画部門の建て直しです。もともと、ディズニー社は実写映画も多く手がけていたのですが、俳優の給料が高くなり、映画制作費がかさんでいました。その結果、新作映画を世に送り出せずにいました。そこで目をつけたのが、ピークを過ぎた監督・俳優の積極的な起用でした。これにより、制作コストを抑えながらも、小さなヒットで確実に稼ぐという方向へとシフトしたのです。これは、クリエイターのウォルト・ディズニーさんや創業家では出来ない決断です。まさしく、マイケル・アイズナーさんの本領発揮と言えますね。

その結果、ディズニーの新作映画は徐々に本数を増やすようになります。いわゆる、「下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる」作戦です。この作戦が功を奏し、1400万ドル(約16億円)で制作した”プリティ・ウーマン”(90年)が大ヒットを記録し、その年の全米興行収入第1位に輝きます。主演のジュリア・ロバーツ氏は、ゴールデングローブ賞・主演女優賞を受賞しました。まさに、プリティ・ウーマンのシンデレラスートーリーのごとく、ディズニーの映画部門は、回復基調に乗ったのです。

家庭用ビデオ市場からの大躍進劇

Disney_Princess

マイケル・アイズナーさんに、傲慢で金に汚いなどという批判がかなりあったのは事実です。しかし、ディズニー社にとって、テレビ業界出身で実績のあった彼をCEOに置いたことは大正解でした。まさに、適材適所とはこのことです。アイズナーさんは、ディズニーが弱かったテレビ業界への進出に力を入れ始めます。

この頃、どこの家庭にもテレビが普及し、ビデオデッキも広まっていました。そこでディズニー社は、過去の名作から最新作までリリースし、”白雪姫”は空前の180万本のヒットを飛ばしました。そして、家庭用ビデオ市場は、ディズニー社のドル箱となり、多くの利益をもたらすようになったのです。ウォルト・ディズニーさんのような天才的な創造力はなくとも、コンテンツをとことん利用することで、ディズニー社が存在価値を提供できることを実証して見せたのです。著作権の管理がやたらと厳しいのも、ここら辺のところに事情がありそうですね。

ディズニー社によるメディア席巻

Walt-Disney-Animation-Studios

90年代に入ると、60年代以降低迷していた、ディズニー伝統のアニメーション映画が復活を果たします。89年の”リトル・マーメイド ”を皮切りに、91年には”美女と野獣 ”、92年に”アラジン”、そして94年には、”ライオン・キング”と、次々とヒットを量産し、ディズニーのアニメ部門は完全復活をとげました。映画の復活により次第に低迷していたディズニーランドの観客も帰ってきたのです。

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そして96年、ディズニー社はアメリカの3大ネットワークであるABC放送を買収。ついに、ディズニーはメディアにまで進出することになります。こうしてディズニー社は、完全復活を果たし、黄金時代を迎えることになったのです。

ディズニー社の最大の失敗 東京ディズニーランド

disneyworld

ディズニーの著作権を盾に、傲慢、拝金主義など、様々な批判を受けたマイケル・アイズナー氏でしたが、ディズニー社の株式時価総額を、実に20倍以上に押し上げたその功績は、今や伝説となっています。

そんなディズニー社ですが、この日本で”史上最大の失敗”をしでかしています。それは、大成功している東京ディズニーランドの運営方式です。東京ディズニランドの計画当初、ディズニー社は経営が混迷。株式市場では株の争奪合戦が繰り広げられていました。リスクを最低限に抑えるため、オリエンタルランドにライセンス方式、すなわち、入園料の10%、飲食・物販代の5%を支払う形で、運営を許可してしまったのです。世界六地域のディズニーランドの中で、米国本社の出資を仰がずライセンス方式によって運営しているのは、東京ディズニーランドだけです。世界一の売上高を誇るテーマパークがライセンス方式とは、ちょっぴり皮肉なことですね。

筆者のひとりごと

オリエンタルランドが奇跡的なタイミングでライセンス契約を結べたことは、ラッキーだったと思います。でも、おもてなしの心を持った日本人でなければ、世界一のテーマパークを作り上げることが出来なかったと筆者は考えるのですが、みなさまはいかがでしょうか。天才なき後、後継者は様々な困難に直面するものです。これらの困難を乗り越えたアイズナー氏が、名経営者であることに違いはありません。

次は、「ピクサーのM&Aを仕掛けたスティーブ・ジョブズ~ディズニーを制した神の交渉力~」をご覧下さいませ(๑˃̵ᴗ˂̵)و テヘペロ

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