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あなたは、「ジョジョの奇妙な冒険」というマンガをご存知でしょうか。
(o゚Д゚)===O三☆☆))゚○゚). オラオラオラオラ―――!!
ストーリーや登場人物のことは知らなくても、独特な台詞まわしや奇妙な立ち方だけは知っているという方も、きっと多いはず・・・。なんてったって、業界視聴率ナンバーワン番組「アメトーーク」でも、何度か「ジョジョ芸人」として、取り上げられたほどです。
ジョジョの人気は、日本人だけにとどまりません。
2009年には、ルーヴル美術館でも原画展を行われています。あの「モナ・リザ」や「ミロのヴィーナス」などの世界的な名画と、ジョジョが肩を並べているんですよ。(手フェチの吉良吉影だったら、◯起もんです)
しかも、2013年には、世界のグッチとコラボレーション。世界約80店舗のグッチのショーウィンドウに、第6部の主人公、空条徐倫が登場しています。もちろん、買い物の街ニューヨークの五番街も例外ではありません。かくいう筆者も2013年当時、スペインのバルセロナのグッチ店頭で徐倫を見かけ、ものすごく興奮したのを覚えています。と同時に、同じ日本人として、とても誇らしい気持ちにもなりました。
さて今回は、荒木飛呂彦先生が生み出したジョジョの奇妙な冒険(以下、「ジョジョ」)から事業承継のエッセンスを学んでいきたいと思います。
念のため、ジョジョをご存じないという方のために、ジョジョがどのようなストーリーなのか、ざっくりとご説明させていただきます。
ジョジョは、ジョースター家と宿敵ディオとの、100年以上に渡る戦いの軌跡が描かれた、冒険ファンタジーです。今や、累計百巻を超え、八部にわたって物語が構成されています。(2015年4月現在)
語りたいことは山ほどありますが、ネタバレしてしましまい、怒られるのもなんですので、あくまでザックリとした説明とさせていただきました。
絵柄が怪しげなので、最初は慣れないという方も多いと思いますが、ミステリアスな雰囲気、個性的なコマ割り、聞いたことのない擬音、セクシーなポーズ、独特な台詞まわしなど、気になる表現が満載なので、見れば見るほど、その奥深さにハマってしまうこと間違いなしです。ちなみに、作者の荒木飛呂彦先生は、意識的にこれらのことを盛り込んでいるそうです。
人気の理由は、それだけではありません。
https://www.youtube.com/watch?v=53AMZi1Pwd8
強さのインフレ、それは物語が進むにつれて敵が青天井で強くなり、かつての強敵が”雑魚化”してしまう現象のことです。これまで、多くの読者からツッコミを入れられながらも、バトルマンガに今もなお残る“必要悪的”なシステムです。
ドラゴンボールでは、この傾向が顕著に表れています。特に、ヤムチャの役回りと言ったら、もう目も当てられません。見事な”噛ませ犬”っぷりを演じさせられています。
バトルマンガを描く作家にとって、このパワーインフレ問題をどう取り扱うかが、至上命題となります。
そこで、作者の荒木飛呂彦先生がとった手法が、強さをパワーで絶対評価するのではなく、能力勝負にもっていくというやり方です。能力ですから、次の敵が弱くたって構いません。
結果、見事にパワーインフレを解消。ジョジョは、インフレ問題を解決した、頭脳系能力バトルマンガの元祖なのです。
そういう意味では、日本いや世界のマンガ界に与えた影響は、計り知れません。
ジョジョのテーマは、「人間讃歌(生きること)」です。
このテーマこそが、少年マンガというジャンルにありながら、大人をも惹きつける大きな魅力なっています。
主人公は、人間としての誇りを忘れず、己の信じる正義のために強大な敵に立ち向かいます。一方、それと対比されているのが、化け物と化した宿命のライバルたちです。己の能力の限界に耐えられず、結果人間の道を外れた敵キャラです。
この強すぎる敵キャラというのも、ジョジョの魅力の一つです。ディオにしろ、カーズにしろ、とにかく強いのです。特に、第四部の吉良吉影、こいつにいたっては、作者の荒木飛呂彦先生も手を焼いています。
「主人公(ジョジョ)が負けてしまうかもしれない」
あるインタビューで、ほぼ無敵状態になってしまった吉良吉影を、どのように倒すのか思いつかない状況に陥っていたことを明かしています。週刊で連載する中、結論が出てこない事態になっていたのです。荒木飛呂彦先生も一緒に戦っていたんですね。
だから、ジョジョでは主人公ですら敵キャラに殺されてしまうことだってあるのです。
週刊マンガでは人気連載を終わらせないために、いろいろなシガラミで、引き伸ばしが起こってしまいます。いわゆる大人の事情ってヤツです。でも、この承継方式だと、主人公が変わるごとに敵の強さもリセットされるので、インフレが起きにくいというメリットがあります。
また、死ぬはずのない主人公が散っていくからこそ、その生き様が強烈に私たちの脳裏に焼きつかれるのです。
遺志を受け継いだ主人公たちは、最終的に敵キャラを打ち倒します。この一貫した「人間賛歌」というテーマは、話がいくら進んでいっても一切ブレません。
荒木飛呂彦先生が、世界観やキャラクターがブレないように、様々な工夫を行っているからです。
マンガでは、魅力的なキャラクターが物語を構成する上で重要なカギを握ります。いわゆる、「キャラが勝手に動く」という状態が理想的だと言われています。
そのために、主人公がどういう目的をもってストーリーの中に存在するのか、その動機が重要になってきます。
動機はなんでも構いません。ポイントは、読者が共感や興味を持ち、先を読みたくなるような良い動機であることです。絵を描く前に、まずイメージをふくらますことが重要だそうです。
そして、主人公を際だたせる、敵キャラの存在です。物語を面白くするためには、善悪二元論に陥らないことです。すなわち、悪には悪の理由があるということです。戦いを続けるうえでの美学です。
とは言え、荒木飛呂彦先生は、善と悪の決定的な違いについても言及しています。
“他人を踏み台にする人”、これは絶対に、 誰が何と言おうと悪だと思う
だから、ジョジョの悪役のほとんどは、自らの「悪の美学」に殉じてリタイアしていきます。キン肉マンに代表される典型的なジャンプ作品では、友情パワーで悪役がドンドンと仲間になっていきます。これに反して、ジョジョでは敵が仲間になることをできるだけ排除しています。ジョジョが、他のジャンプ作品と一線を画すのは、この徹底ぶりかもしれません。
キャラクターが、大きくブレてることを防ぐために、キャラクター身上調査書というものを作成しているのも、荒木飛呂彦先生の素晴らしいところです。
男の子は、常に「男の子なんだから・・・」と言われて育ちます。涙を見せようものなら仲間からもイジり倒されるので、悲しくてもグッと堪えるようになっていきます。幼いころのジョナサンが、まさにそうです。
男の子にとって、最初のお手本となるのがお父さんです。
ジョジョでは、主人公以外のジョースター家の人たちも、実に魅力的な存在として描かれています。
その考えこまれた設定から、主人公が父親から多くの影響を受けてきたであろうことが、推測されます。ちなみに、ジョナサンの父親、ジョージ・ジョースターⅠ世は、とても温かく厳格な人です。
見てわかるように、その表情からも、温厚でカッコいい雰囲気を醸し出しています。
お父さんがカッコよく見えたら、子どもは、マネをして少しでも近づこうとガンバります。逆に、カッコ悪く見えれば“反面教師”として、反対の生き方を選ぶようになります。
男の生き方は、常に強い自立を求められるせいもあって、弱さを徹底的に嫌います。「弱ければ生き残れない」そんな感覚からくるものかもしれません。
小さな頃から当たり前のように見てきた父親像。
その立ち居振る舞い、考え方、価値観にいたるまで、オヤジという存在は、常に男の意識のどこかにあります。「オヤジを越える」という言葉がありますが、男はオヤジの背中を見て育ち、やがてはオヤジを越えることを目指すものなのです。
会社の究極的な目的は、ゴーイング・コンサーン、すなわち継続していくことです。そのために、会社が生き続けるための基本テーマ、経営理念を設定しておく必要があります。
これって、ジョジョとまったく一緒ですよね。
しっかりとした経営理念があれば、主人公(経営者)が交代しても、続けていくことが可能になるのです。
もし、万が一、志半ばで引退をしなければいけないときは、後を継ぐ者にそのおもいを全力で伝えてあげてください。きっと、あなたの本気は伝わるはずです。
これこそ、まさに漢のロマンと言えるのではないでしょうか。
何の気なしに、手にした荒木飛呂彦の漫画術という本でしたが、思いの外、学びが多かったです。大好きな荒木先生の経験やノウハウがギッシリと凝縮されており、「何かを伝えておきたい」という強いおもいが、マンガ家志望ではない筆者にもヒシヒシと伝わってきました。
この本で学んだエッセンスを、ジョナサン、ジョセフ、承太郎・・・のように、次の世代へと引き継いでいけるような会社作りに繋げ、事業承継の仕事に活かしていきたいと思っています。
続けて、こちらのコンテンツもご覧くださいませ(๑˃̵ᴗ˂̵)و テヘペロ
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