ブログ

【おススメ】買収会社をV字回復させる日本電産 永守流M&Aの手法

The following two tabs change content below.
大学卒業後、会計事務所・M&A専門会社(現在、東証1部上場)を経て、平成20年株式会社コスモスコンサルティングに入社。 「答えは、社長の心の中にある」がモットーで、社長の話に真摯に耳を傾け、企業の発展と存続のため、社長と後継者の真の気持ちに重きを置いた事業承継対策・勇退のサポートに取り組んでいる。 詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。 ☞ プロフィール

先日発売した日経ビジネス(2014年11月17日号)の特集は、「社長が選ぶベスト社長」でした。とても興味深い記事でしたので、その内容を少しだけご紹介させて頂きます。

社長が選ぶベスト社長

business.nikkeibp

  • 1位 日本電産 会長兼社長 永守 重信 225点

  • 2位 ソフトバンク 社長  孫 正義  185点

  • 3位 トヨタ自動車 社長  豊田 章男 110点

見事、ベスト社長の座に輝いたのは、日本電産の永守社長でした。筆者がパッと頭に思い浮かんだのは、2位の孫社長でしたので、正直、この結果には驚きました。M&Aを生業としている筆者にとって、永守社長は伝説の経営者ですが、1位に選ばれるほど知名度がある社長とは思ってなかったからです。

ちなみに、一般のビジネスパーソンに聞くベスト社長は、このとおりです。

  • 1位 ソフトバンク 社長  孫 正義  193票

  • 2位 日本電産 会長兼社長 永守 重信   97票

  • 3位 トヨタ自動車 社長  豊田 章男   84票

この結果は、世の社長が誰を評価し、誰を参考にしているか、とても参考になる面白いデータです。そこで、今回は日本電産の永守社長の魅力を探っていきたいと思います。

この記事は、こんな人におすすめです!
  • 永守社長の経営手腕に憧れる人
  • 会社の立て直しを図っている人
  • 決断を先送りにしている人

太陽よりも熱い男 永守重信

永守社長をテレビなどで見たことがある人もいるかもしれないが、とにかく熱い男です。その熱気たるや、松岡修造に勝るとも劣らないくらいです。その周りを巻き込むパワーたるや凄まじいものがあります。

そうそう、何の気なしに日本電産のサイトを見に行ったら、スゴいものを発見してしまいましたよ。それが、「太陽よりも熱い男(リンクをクリック)」。永守社長、なんと自分のマンガを作って、サイトで公開してました。

全32ページで読みやすいものですので、ぜひ読んでみてください。永守社長のことがよくわかります。もちろん、無料です。

日本電産永守重信社長のM&A戦略

nidec_nagamori2

photo credit: 日本電産 cc

その実績は、売上高の推移を見れば明らかです。この20年間で売上は141倍と驚異的な伸び率を示しており、その成長は衰えを感じません。その原動力は、間違いなくM&A戦略にあります。

日本電産が買収した赤字会社はすべて黒字化

日本電産 永守重信、世界一への方程式

日本電産のスゴいところは、買収した赤字会社を100%黒字に転換させているところにあります。しかも、極めて短かい期間で行なっています。利益を出すのが難しいご時世に、この結果は驚異的です。

基本的に、永守会長の買収後の基本方針は、3つしかないそうです。

  1. 経営者も従業員も代えないで、一緒に経営していく
  2. 買収する会社のブランドを残し、安心感を持ってもらう
  3. 再建が終わったら、支援に出した人材は引き上げる

日本電産が行ってやることは、人として極めて当たり前のことかもしれません。

昼食会をやって、夕食会をやって、従業員の言い分をとことん聞いていくのです。そして、そこから出てきた問題を一つ一つ丁寧に取り除いていくだけです。

わかっちゃいるけど、これが普通の人には、なかなかできないものです。日本電産は、この基本動作を、徹底的に繰り返し、買収した企業の業績を次々と黒字に転換していったのです。

日本電産の明確な事業ドメイン

日本電産永守イズムの挑戦 (日経ビジネス人文庫 ブルー に 1-32)

小型精密モーターを本業とする日本電産は、自らの戦う土俵(事業ドメイン)を明確に決めており、M&Aの対象企業を、極めて戦略的・合理的に選別しています。大きく分けると、

  • 回るもの
  • 動くもの

の2つに絞り込んでいます。

垂直方向はモーターの種類やタイプ、水平方向に自動車用、コンピューター・PC関連、産業用・家電用などの用途別を見据えて、戦略的な買収を行っているのです。

日本電産の経営理念を植え付ける”3Q6S”

永守社長は、買収したすべての赤字会社をリストラなしで再建し、V字回復させてきた。もちろん、買収した会社は絶対に切り売りなどしません。

永守社長が編み出したカイゼン手法は、“3Q6S”と呼ばれるものです。

3Q

  • 良い社員(Quality Worker)
  • 良い会社(Quality Company)
  • 良い製品(Quality Products)

6S

  • 整理(SEIRI)
  • 整頓(SEITON)
  • 清潔(SEIKETSU)
  • 清掃(SEISOU)
  • 作法(SAHO)
  • 躾(SHITSUKE)

一人の百歩を求めるのではなく、百人の一歩を歩ませるそのやり方は、決してテクニックではありません。

自ら再建会社に出向いて、社員の意識を改革し、徹底した経費削減で、赤字を黒字に変えていくのです。その真摯な態度が従業員に伝わり、やる気に火を付けるのです。早出出勤を命じられても、気にする従業員などいません。

「言ったことにちゃんと応えてくれると分かれば、従業員も心を開いてどんどん本音を言います。」

永守社長が考える 買収に失敗する理由

日経ビジネスの中で、永守社長とユニクロの柳井社長の対談記事がありました。(ちなみに、二人ともソフトバンクの社外取締役です)日本の企業が買収に失敗する最大の理由について語っています。

トップが「買ったからお前が行ってこい」では失敗します。買ってからがトップが最もエネルギーを費やさなきゃいかん段階なんです。

これは、M&Aによる事業拡大を考えている全ての社長のみなさまに声を大にして言いたいです。

人は奇をてらった手法にどうしても目がいきがちです。

地道に努力を積み重ねた永守社長が、「社長が選ぶベスト社長」に選ばれたことは、とても喜ばしいことだと思いました。

永守重信社長の名言

最後に、永守社長の名言を取り上げて締めくくりたいと思います。

「よく二代目の経営者が、親父が始めたから仕方なしにやっていると言うのですが、そんな仕事が成功するわけがない。惚れ込まなければダメです。人が何と言おうが、この仕事が俺の天命、天職だと惚れ込んでやれば、必ず上手くいきますよ。」

筆者のひとりごと

今回の日経ビジネスの企画は、とても面白い企画だと思いました。社長の評価を正しく出来るのは、5年も10年も先を見据えて、決断を下す社長しかいません。だからこそ、現実味のある永守社長が1位になったのです。この結果におもわず納得です。

本ブログを、最後までお読み頂きまして有り難うございます。よろしければ、”いいね!””シェア”をして頂くと、励みになります。どうぞ応援よろしくお願いいたします。

是非、あなたを声をお聞かせください
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. It isn’t a SONY?! ソニーがVAI…
  2. 【永久保存版】プーマとアディダスの果てしない兄弟ゲンカの歴史
  3. ネット覇者アマゾンに対抗する!~顧客体験の差別化をはかる3つの方…
  4. ”地球最大の本屋さん”アマゾンドットコムの驚愕の在庫管理方法
  5. スターウォーズ買収のエピソード~ルーカスがディズニーに託したフォ…
  6. 【勇退】世界のホンダ 本田宗一郎が引退を決断した理由とは
  7. 【必見】忙しいビジネスマンのためのよくわかるONE PIECE講…
  8. アライアンスで活路を拓く!?中小企業の生き残り戦略に潜む注意点
メルマガ登録

最近の記事

勇退の極意
PAGE TOP