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アライアンスで活路を拓く!?中小企業の生き残り戦略に潜む注意点

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大学卒業後、会計事務所・M&A専門会社(現在、東証1部上場)を経て、平成20年株式会社コスモスコンサルティングに入社。 「答えは、社長の心の中にある」がモットーで、社長の話に真摯に耳を傾け、企業の発展と存続のため、社長と後継者の真の気持ちに重きを置いた事業承継対策・勇退のサポートに取り組んでいる。 詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。 ☞ プロフィール

『突然、ある会社から「御社と提携させて頂きたいのですが・・・。」という話があったのだけど、どうしたら良いかわからない。』最近、このようなご相談が増えています。実際のところ、「提携には興味があるけれど、具体的にどのように進めたら良いかわからない」というのが、本音のようです。そこで、今回は「アライアンスに対する考え方」についてまとめてみました。

下請けや系列からの脱却

photo credit: Vincepal via photopin cc

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多くの製造業では、”下請け体質からの脱却”が大きなテーマとなっています。元請企業に生殺与奪を握られていては、いつまでたっても自社の独自性を発揮する機会がないままです。筆者がお会いする経営者の方も、例外なく、このような危機感を常に持っています。発注者の顔色を伺い、指示に従うことが当たり前の体質が続くと、そこから脱出することが困難になるからです。

今、限られた経営資源でやりくりする中小企業が、生き残りのシナリオの一つとして、アライアンスを模索しています。冒頭にあげた企業もその一例です。確かに、アライアンスを活用することで、ひょっとしたら、値引き要請の圧力にさらされる毎日から抜け出すことができるかもしれません。

外部の経営資源と組み合わせる

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photo credit: woodleywonderworks via photopin cc

自社の持つ経営資源だけで、大きな突破口を見出すことはなかなか難しいものです。しかし、他社の経営資源と、うまく融合することができれば、能力以上の成果を産み出すことも期待できます。販売ルートの確保、業務の統廃合、技術や技能の有効活用・・・、うまくいけば様々な効果が期待できます。

会社の規模を拡大・多角化する時に、隣接する事業分野や、川上川下の事業分野の会社とタッグを組むことができれば、低いコストで効率良く事業を展開できる可能性が拡がります。そのためには、自社の経営資源、すなわち強みと弱みを明確に把握することが求められます。

下請けとアライアンスの違い

photo credit: photogramma1 via photopin cc

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実際に、”下請け”と”アライアンス”には、どのような違いがあるのでしょうか。下請企業は、親会社の意向に従うことが求められます。そのため、独自性を発揮する余地は極めて少なく、厳しいコストダウンを余儀なくされるという現状があります。当然、戦略が入り込む余地はなく、互いにメリットを享受できるシナジー効果は望めません。

一方、あえてアライアンスの特徴をあげるとすれば、次の3点があります。

  1. 共通の目的があること

  2. 互いに対等であること

  3. 長期的な関係であること

”下請け”との違いは明確です。相手に迎合することもないし、卑屈になることもありません。共通の目的に向かって、互いのメリットを活かし、デメリットを補完する関係では、革新(イノベーション)の色合いが強くなります。

革新がなければ、アライアンスを組む意味がない!

photo credit: Tsahi Levent-Levi via photopin cc

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アライアンスは、その結果として革新をもたらすものでなければ成功とはいえません。経済学者シュムペーターは、革新を以下の5つのケースに分類しています。

  1. 新しい製品の開発

  2. 新しい生産方法の導入

  3. 新しい販路の開拓

  4. 原材料の新しい供給源の獲得

  5. 新しい組織の実現

まさに、シュムペーターさんがおしゃるとおりなんです。1+1=2では、意味がありません。3にも4にもしていこうとする心意気が重要なのです。これを、シナジー効果と言います。戦略的な連携を通じて、自社の経営資源と外部の経営資源を組み合わせることで、アライアンスは、新たな革新へと突き進む可能性が出てくるのです。

求められる厳しい目

アイデアだけに溺れない

photo credit: r.nial.bradshaw via photopin cc

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とは言っても、中小企業のアライアンスは、満足のいく成果を上げているとは言い難い部分もあります。例えば、異業種交流会のケースを考えてみてください。交流会ではしこたま盛り上がっていたものの、いざ開発や事業化となると、急にトーンダウンしたという経験はありませんか。その理由として一番に考えられるのが、”アイデア先行”になりがちだからです。

下請型の製造業同志のアライアンスを考えてみましょう。この場合、両社とも市場との接点を持っていないため、消費者のニーズをつかめません。そのため、画期的な製品を共同開発したとしても、事業化までの全体像を描けずに終わってしまいます。いくら優れた製品を開発しても、販売につなげることができなければ、宝の持ち腐れです。

仮に、大手の商社の販路に乗せたとしても、無造作に売り出したために、消費者からクレームが殺到し、せっかくの画期的な製品も水の泡ということもあります。特に、説明の必要な製品の場合は、注意が必要です。この失敗は、販路まで含めたトータルのシナリオを描けなかったことにあります。事業化を最終目的にするのではなく、アイデアの現実化を現場レベルまで落とし込むことが重要です。

厳格な契約意識を持つ

photo credit: JanetR3 via photopin cc

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元来、中小企業は、技術やノウハウなど、コアとなる経営資源を自社で抱え込むことで他社と差別化をしています。ところが、他社との連携する局面においては、どうしてもその経営資源が外部に漏洩しやすくなります。つまり、虎の子である「強み」を失ってしまう可能性が出てきます。それが、アライアンスにブレーキをかける最大の要因となります。
対策としては、機密保持契約の締結とその厳格な運用しかありません。中小企業の経営者は、往々にして契約意識が希薄です。機密保持ばかりでなく、共同開発の際のコスト負担、特許の扱い、利益配分などにしても、厳格な契約意識が求められます。これらを最初の段階で明確にし、後々のトラブルを防ぐことが、アライアンスを成功させる重要な条件となります。

筆者のひとりごと

アライアンスの成功のカギを握っているのは、最終的には、経営者の資質にかかってきます。これは、もう間違いありません。連携による成果を事業化にまでもっていくには、やっぱり様々な困難がつきまとうものです。結局のところ、どのような未来を創造したいかという経営者のロマンが、アライアンスを成功へと導くキーとなるのです。

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