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スターウォーズ買収のエピソード~ルーカスがディズニーに託したフォース~

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大学卒業後、会計事務所・M&A専門会社(現在、東証1部上場)を経て、平成20年株式会社コスモスコンサルティングに入社。 「答えは、社長の心の中にある」がモットーで、社長の話に真摯に耳を傾け、企業の発展と存続のため、社長と後継者の真の気持ちに重きを置いた事業承継対策・勇退のサポートに取り組んでいる。 詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。 ☞ プロフィール

小さい頃に買ってもらったおもちゃを、今でも大切にとっている人も多いのではないでしょうか。思い出が詰まった宝物は、なかなか捨てられないものです。

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こんな時、あなたはどうしているでしょうか。筆者だったら、そのおもちゃを一番大切に扱ってくれる人に使ってもらいたいなと考えます。

さて今回は、大切な宝物を託したジョージ・ルーカスさんのエピソードを探っていきたいと思います。

この記事は、こんな人におすすめです!
  • スターウォーズが好きな人
  • ディズニーが好きな人
  • 自分の夢の続きを誰かに託したい人

スターウォーズ誕生のエピソード

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「スター・ウォーズ」が公開される4年前の1973年夏まで、映画監督ジョージ・ルーカスさんの生活は、貧乏のどん底でした。その当時の年収は、奥さまと合わせてもせいぜい2万ドル、ほとんど破産寸前の状態だったそうです。ところが、「アメリカン・グラフィティ」の大ヒットにより、いきなり700万ドルという大金を手にすることになったのです。

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ジョージ・ルーカスさんは、この大金を使って温めていた一つのおもいを実現しようと思いました。それが後のニュー・スペース・オペラと評される「スター・ウォーズ」です。

「映画を見に行く人は、誰でも情緒的な体験を持つことを好むだろう。この気持ちは基本的なもので、子供であろうと老人であろうと変わらないものだ。その体験が強ければ強ければ強い程、その出来栄えは優れていると言えるだろう。」

「スター・ウォーズ」公開後、ジョージ・ルーカスさんは、このように語っています。子供の心をくすぐる情緒的な疑似体験は、ファンタジーの中でこそ大きく発揮できると確信していたのでしょう。だからこそ、当時ヒットがなかったファンタジーというジャンルで、観客を喜ばせる作品を作ろうと決意したのです。ジョージ・ルーカスさんの狙いは、宇宙、冒険、サスペンスなどの要素をファンタジーの中に詰め込み、神話のような広がりのある作品にすることでした。それは、新たな挑戦への第一歩でした。

始めは誰からも理解されなかったスターウォーズ

1977年5月25日、アメリカで初公開された「スター・ウォーズ」は、上映館がたったの32館にもかかわらず、瞬く間にそれまでの興行記録を塗り替え、全米興行成績ナンバー1に。1億2700万ドルというとてつもない記録を叩き出したのです。

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当初、「スター・ウォーズ」の企画はユニバーサル・スタジオに持ち込まれましたが、担当者が世界観を理解できず、あっさりと断られてしまったそうです。おかげで、ユニバーサルは、後に世界中で8億ドル近くの興行収入を叩き出すドル箱作品を、みすみす手放すことになってしまいました。仕方のないことかもしれませんが、かなりMOTTAINAI 話です。

そして、ユニバーサルが断った10日後に、20世紀フォックスの重役アラン・ラッド・ジュニアさんが正式契約を申し込んできたのです。当時まだ上映されていなかった「アメリカン・グラフィティ」の試写を観て、その才能に惚れ込み決断を下したのです。

「脚本ではなく、君に投資するつもりだ」

20世紀フォックスとの版権交渉

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そんな20世紀フォックスという配給会社に対して、ジョージ・ルーカスさんは、ある条件を提示します。それは、”監督としての報酬を抑える代わりに、作品に関わるすべての権利(商品化権など)を確保する”というものでした。「スター・ウォーズ」がヒットするとは微塵も思っていない20世紀フォックスは、これをあっさりと承諾。もし、ジョージ・ルーカス氏がこの条件交渉をしていなければ、関連グッズを大々的に発売できなかったことでしょう。そうなると、今のルーカス・フィルムは存在していなかったかもしれません。結果として、ジョージ・ルーカスさんは、莫大な利益と、映画作家としての自由を勝ち取ることに成功したのです。

このような背景があるため、ジョージ・ルーカスさんの版権管理は凄まじいものがあるそうです。自社のキャラクターをなかなか貸し出さないというのは、業界でも有名な話です。だから、著作権にもさぞかし厳しいかと思いきや、実はそうでもないようです。

かつて、YouTubeが「スター・ウォーズ」ファンの作ったパロディー動画を削除したことに対し、ルーカス・フィルムは、本人に代わって再掲載の要請しています。ファンを大切にするジョージ・ルーカスらしいステキなエピソードだと思います。

ディズニー社に託したジョージ・ルーカスの”フォース”

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 映画監督のジョージ・ルーカスは2012年10月30日、自身の映画製作会社ルーカス・フィルムをウォルト・ディズニーに破格の40億5,000万ドルで売ると発表した。これにはスター・ウォーズやインディ・ジョーンズという人気シリーズに関する権利も含まれる。

2012年のハロウィンの真っただ中、コアなファンにとって、衝撃的なニュースが飛び込んできました。中には、この行動を”裏切り”と受け取った人もいたかもしれません。それは、「スター・ウォーズ」の世界観を守れるのは、「ジョージ・ルーカス氏しかいない」と思っていたからでしょう。

しかし、考えてもみてください。ジョージ・ルーカスさんも御年68歳、そろそろいい年です。体が満足に動かせなくなってからでは、バトンタッチもうまくいきません。だからこそ、このままダラダラと継続することよりも、潔く勇退することを選択したのです。おそらく、ご自身が亡くなった後に訪れるであろう求心力の低下や、人材・権利関係が離散してしまうことに配慮しての決断だったと思われます。

マーベルの成功体験によりコンテンツの買い占めを加速

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ディズニー社が、メディアを取り囲もうとしているのは、周知の事実です。しかし、当初ルーカス・フィルムの買収に関しては、消極的な姿勢だったそうです。この決断の背景には、2009年のマーベルの買収が大きくかかわっています。

当時、買収金額が高すぎという批判にさらされていました。しかし、「アイアンマン」や「マイティ・ソー」「キャプテン・アメリカ」「超人ハルク」といったスーパーヒーロー活躍する「アベンジャーズ」の世界的なヒットにより、その状況は一変。

 

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結局、「アベンジャーズ」は、世界で15億1,000万ドルの興行収入を稼ぎ出し、マーベル買収の価値を浮き彫りにしたのです。これは、当時史上2番目の興行収入です。この成功が、ルーカスフィルム買収の後押しとなり、コンテンツビジネスの強化へと駆り立てたのは間違いありません。

この買収で、ディズニー社は「スター・ウォーズ」だけでなく、「インディ・ジョーンズ」も手に入れます。それに加え、ルーカス・フィルムが所有する最先端の関連会社がついてきます。大手ゲーム会社ルーカス・アーツや、特撮工房インダストリアル・ライト&マジック、映画製作会社スカイウォーカー・サウンドなどです。これらの会社を最大限に活かせる会社がディズーニー社です。そう考えると、この40億5,000万ドルなんて安い買い物です。

だからこそ、ボブ・アイガーCEOはこの大型買収に踏み切ることができたのです。

バトンタッチを決断したジョージ・ルーカスの心の内

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『「スター・ウォーズ」は私を超える存在になるといつも信じてきたし、私が生きている間にバトンタッチすることが重要だと思った。(映画プロデューサーの)キャスリーン・ケネディが指揮するルーカス・フィルムに加え、ディズニーという新しい家を得た「スター・ウォーズ」は、間違いなく生き続け、今後何世代にもわたって愛されていくことでしょう。』

ジョージ・ルーカスさんは、ディズニー社に期待をこめて、このように話しています。会社には、必ず創業者のロマンがDNAとして宿っています。最先端でクリエイティブなルーカス・フィルムの場合は、特にそうかもしれません。この精神を受け継ぎ、ジョージ・ルーカス氏が生み出したスター・ウォーズという宝物を、100年200年という長きに渡って大切に育んでいってほしいものです。

フォースと共にあらんことを・・・。

筆者のひとりごと

実は、ディズニー社がルーカス・フィルムを買収すると発表した時、世界を揺るがすとんでもない発表がもう一つありました。それは、「スター・ウォーズ」の続編「エピソード7」を制作するというものでした。ちなみに、公開日は来年2015年の予定です。てっきり、エピソード1から6で完結したと思っていた筆者は、まさかのサプライズに複雑な心境でした。株主が変わったことで、今までの世界観が変わらないことを密かに祈っています。

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