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うまい話には裏がつきものです。しかし、ごくまれに本当のお宝話が眠っていたりします。そういう意味では、カリフォルニアのゴールドラッシュが、世界中の人々に夢と希望を与えたことは間違いないと思います。
さて今回は、アメリカンドリームが沸き起こったゴールドラッシュの歴史について、お伝えしたいと思います。
ことの発端は、1848年カリフォルニア州のサクラメント。ゴールドラッシュは土地開拓の現場監督だったジェームズ・マーシャルさんが金を見つけたことに始まり、その後新聞社主で商人のサミュエル・ブラナンさんが公に発表したことで始まりました。
「アメリカ川で砂金がとれる!」このうわさはたちまち世界へ広がり、当時2万人にも満たなかった人口が、翌年の1849年には10万人、1852年に25万人、1860年には38万人と、どんどんと増えていったのです。砂金が手に入れれば、家族も養えるし、贅沢な暮らしができる。一攫千金を目指して、カリフォルニアにわんさと人が訪れました。
特に、1849年に多くの人が集まったことから、49er’s(フォーティー・ナイナーズ)と呼ばれるほどのブームを巻き起こしました。ちなみに、この呼び名はアメリカンフットボールのチーム名として現在でも残っています。
金鉱を探し当てた人だけがお金持ちになったわけではありません。一攫千金を夢見る人たちに、サービスや物資を供給する人たちです。商人や鍛冶屋などの職人、ホテル、銀行、弁護士など様々な人がいました。
でも、本当にお金持ちになったのは、砂金を最初に掘り当てた人たちではありません。砂金掘りに奔走している人々モノを提供した人でした。それが、リーバイスの創業者、リーバイ・ストラウスさんです。
リーバイ・ストラウス、皆さんもよくご存知、デニムを作ったリーバイスの創始者です。ゴールドラッシュ時にカリフォルニア州に向かいます。と言っても一攫千金を夢見てというよりも、好景気に沸くサンフランシスコに行けば、ビックビジネスになると考えたのです。
作業着は、立ったり屈んだりを繰り返すと、すぐにボロボロになってしまいます。リーバイ・ストラウスさんは、労働者のズボンがすぐにスリ切れる様を見て、生地を分厚くして頑丈な生地で作った作業着は需要があると考えました。金鉱で働く人の意見に熱心に耳を傾け、テントや船の帆に使われていたキャンパス生地を用いたワークパンツを商品化したのです。これが、リーバイス501です。
破れにくいワークパンツはバカ売れ。破れにくさに加えて、カッコよかったのです。
機能を追求した結果、ファッションアイテムとしても受け入れられたのです。ジーンズは、今や作業着というだけでなく、カジュアル・ファッションでは欠かせない定番商品として世界中で愛用されています。その源流が、ゴールドラッシュにあったのです。リーバイ・ストラウス社はその代表的なメーカーとして、100カ国以上でビジネスを展開しています。
リーバイスは、デニムを使った製品を世に送り出し、その製品の特徴的仕様が後にジーンズと呼ばれる新しいパンツのカテゴリーになりました。リーバイス501の特徴は、現行モデルにも受け継がれています。
ジーンズのポケット部分には、ほとんどリベットが取り付けられていますよね。このデニム素材のパンツにリベットを付けることを考案したのがリーバイスです。ポケットの補強を行うためにリベットを使用するというアイデアで、「衣料品のポケットの補強にリベットを使用する方法」に関する特許を取得しています。
リーバイスのジーンズのバックポケットにはアーキュエット・ステッチと呼ばれる弓型のステッチが入れられているのが外観上の特徴の一つです。アーキュエットは弓状の曲線のことです。日本では、かもめステッチとも呼ばれています。
二匹の馬のイラストの上に、”It’s no use they can’t be ripped.”(引っ張っても無駄です。裂けません。)のコピー。ダブルホースロゴマークには、丈夫なジーンズというコンセプトが表現されています。パッチにダブルホースロゴを付けた目的は、1890年頃にはリベットの特許が切れに伴い、新たなシンボルマークの必要性があったためです。
全てのジーンズの原点となるリーバイス501。ジーンズを語る上では無視できない存在です。最初の製品は伝説となっており、ワシントンのスミソニアン博物館に展示されています。ビンテージものになると100万円以上するものもあると言われ、復刻版でさえ数万円しています。かくいう筆者も学生の頃は、ビッグEや赤耳にこだわっていた時期がありました(笑)。
ゴールドラッシュで、巨万の富を築いた採掘ワーカーはごく初期にはいましたが、金を目当てに来た人々の殆ど(95~99%以上)は、労賃はおろか初期投資費用も回収できなかったそうです。その多くは経済的に破たんしたと言われています。
ゴールドラッシュで儲かったのは、金を掘りに来た人プレイヤー(需要者)ではなく、プレイヤーに様々な物資を供給したサプライヤー(供給者)でした。金採掘には直接手を出さずに、周辺ビジネスを開発した人が、富を獲得したのです。金は人を引きつけ、時には破滅へと導きます。金脈を探すことも大切ですが、金脈に寄ってくる人たちに対して、どのような価値を提供するか。このように考える方と、面白い発想が生まれるかもしれません。
日本の歴史上の人物であるジョン万次郎こと中浜万次郎も、カリフォルニアのゴールドラッシュに駆けつけています。海で遭難したジョン万次郎は、ゴールドラッシュで稼いだ600ドルによってハワイ経由で無事に帰国できたそうです。
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