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【ソフトバンク】孫正義の先見力

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豆腐屋の二代目である父親が廃業し苦労した経験から、事業を継続することの難しさを実感。苦しさを打ち明けられない社長の心の内に関心を抱くようになる。 会計事務所・東証プライム上場(旧東証一部上場)のM&A専門会社を経て、勇退を志す経営者を応援するサイト「社長勇退ドットコム」管理人を務める。一方で、メルマガ、ブログ、YouTubeなど幅広く情報発信。熱血M&Aアドバイザーが主人公の漫画「ロマンとソロバン」は、集英社の第15回「グランドジャンプ漫画賞」の佳作を受賞している。 ☞ 詳しくはこちらから

ソフトバンクの孫正義さんは、その情報収集能力と分析能力により、5年先10年先30年先の未来を高度に見通してきました。それにはお金はかかりません。とてつもなく勉強し、猛烈に考えて、愚直に行動に移しているわけです。

さて、今回は日本のウォーレン・バフェットとも言われる、孫正義さんの類まれなる時代を見通す先見力を、探っていきたいと思います。

この記事は、こんな人におすすめです!
  • ソフトバンクの孫正義社長が気になる人
  • 先を見通す力が欲しい人
  • 周囲にホラ吹きだと言われている人

📱 大ボラ吹きの孫正義 ”ソフトバンクが豆腐屋になる日”

photo credit: softbank cc

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創業当時、孫社長は、たった2人のアルバイトに対して、「ソフトバンクは1兆、2兆と数えてビジネスをやる会社になる。豆腐屋の心意気だ」とみかん箱の上で語っていたことは、有名な話です。アルバイトの二人からしてみれば、「これからコンピュータの時代が来る。情報革命で、すべてが圧倒的に変わる時代がくる。」と言われても、何のこっちゃ意味不明だったと思います。「また社長が大きなホラを抜かしている」程度にしか、思っていなかったのではないでしょうか。結局、二人とも二ヶ月後には辞めてしまったそうです。

ウソとホラの違い

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photo credit: softbank cc

ウソとホラは、似ているようで全然違います。これは、なんとなく感覚的にわかってもらえると思います。ウソはつくと嫌われますが、ホラは違います。なぜなら、ホラには”夢やロマン”があるからです。高級クラブのホステスのママから言わせると、「最近の男性は、草食系が増えていて、ホラも言えないから面白くない!」らしいです。

事業家であれ何であれ、あらゆることは、ロマンからスタートしています。ロマンを持たないことには、理想もなければ計画もなく、実行もなければ成功もありません。かと言って、孫社長がやってきたことや、語ってきたことは、決してホラというわけではありません。ある種の確信によるものです。しかし、筆者も含め一般人には、その思考を理解する能力がないため、大ボラ吹きに見えるだけなのです。

📱 ソフトバンク孫正義の人生50年計画

孫正義さんは、19歳のときに「人生50年計画」を立てています。

20代で名乗りを上げ
30代で軍資金を最低で1,000億円貯め
40代でひと勝負し
50代で事業を完成させ
60代で事業を後継者に引き継ぐ

孫正義さんは、19歳で決めたこの行動指針を、徹底して実践していることがわかります。

ソフトバンクを起業した当初も、孫正義さんは営業活動など一切行わず、 朝の9時から夜中の2時まで事務所にこもり、様々な資料に目を通して、長期的な戦略を練っていたそうです。そして、”自分の人生を捧げるのにふさわしい仕事”とは何なのか、”情熱を一生持ち続けられるテーマ”とは何なのか。実に、1年半もの間悩み続けたそうです。

  • 人がやってないこと
  • 構造的に業界が伸びていくこと
  • 資本がそれほどなくても良いこと
  • 人の役に立てること
  • 若くてもできること
  • 1番になれること
  • 儲かること
  • 自分が継続して好奇心を持ち続けられること
  • 世界中に拡大できること
  • 多くの人々に役立つこと

勝負の土俵を選ぶための条件は、25項目にもおよんだそうです。一度しかない人生、食ったり着飾ったりするだけの人生には、したくなかったのです。

孫社長の出した結論は、デジタル情報革命でした。世界中の人々の知恵と知識を、何か1つの大きなデータベースに収めて、みんなでネットワークを共有し、人々がより幸せになれる、そんなデジタル情報革命を、自らの志に据えたのです。

📱 ソフトバンク孫正義のM&A戦略

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photo credit: projectdesign via cc

創業社長は、ロマンだけが先行し、足元の事業計画(ソロバン)が立てられない人が非常に多いです。”気合でなんとか乗り越える”タイプの社長が多い中、孫社長は違いました。中長期的のビジョンを抱え、”壮大なロマン”を抱いていたのです。

今は個人レベルで使っているコンピュータも、いずれネットワーク化される日がくる。そのきたるべき日に備えて、まずはデジタル情報革命のインフラを押さえることを目指したのです。

転機となったのが、1994年の株式公開でした。ここでインフラを押さえるために、孫社長は一気に勝負に出ます。世界最大のコンピューターの展示会会社コムデックスを800億円で、世界最大の出版社ジフデービスを2,300億円で買収します。

会社全体の価値が2,700億円の時に、合計3,100億円を使って、2つとも買収しちゃったのです。これはもう、狂気の沙汰としか、言いようがありません。一般人には、そう見えます。でもここが勝負どころであり、デジタル情報革命を巻き起こすためには、この両社が絶対的に必要不可欠であると、孫社長は確信していたのです。

M&Aはまだまだ続きます。1996年に買収したのが、Yahoo!でした。まだ、社員が5、6人のできたばかりのYahoo!に、100億円もの大金を投じて、筆頭株主になったのです。これとあわせて、日本でYahoo! JAPANを興したのです。

これが、大当たり。ネットバブル全盛期の頃は、一週間で1兆円ずつ資産価値が増えていったそうです。なんとも羨ましい話ですね。

そして今回、アリババ上場により、8兆円もの含み益が発生するそうです。14年前の2000年、まだ形もない一介の英語教師が作ったアリババという会社に、2,000万ドル(約20億円)もの大金を投じたのです。

こんな大勝負ができたのも、デジタル情報革命を起こすという高い志があったからです。

📱 ソフトバンク孫正義から学ぶ仕事の流儀

孫正義の焦燥 俺はまだ100分の1も成し遂げていない

未来のことは誰にもわかりません。しかし、孫社長のように先見力のあるリーダーには、少し先の未来のことが、まるで見えているように感じることがあります。これは、会社の方向性を常に意識していて、人類の未来をこういう方向に導いていきたいという、”強いおもい””明確な信念”があるからです。

そのベクトルは、決して自分には向いていません。ベクトルは、常に相手に向いていて、人に対するおもいやりで満ちています。本気で人類の役に立ちたいと思っているからこそ、自然と言葉にパワーが宿ります。ビジョンが明確なので、同じ志をもつ仲間が集まるのです。そしてその目は、自社の”あるべき姿”をしっかりと捉えて、志を決して諦めることはありません。

💬 筆者のひとりごと

日本のIT業界をけん引する、ソフトバンクの孫正義さんと楽天の三木谷浩史さん。実は、コムデックス買収時のソフトバンクのフィナンシャル・アドバイザーが、日本興業銀行時代の三木谷浩史さんです。意外なつながりが、面白いですね。

続けて、ソフトバンクの後継者が気になる方は、こちらのコンテンツもご覧くださいませ(๑˃̵ᴗ˂̵)و テヘペロ

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