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昨年、ネットを震撼させた”世界一即戦力な男”。その後、どうなっているのか気になっていたところ、知人から「就職が決まって、ドラマ化までされている」という話を聞きました。
さて今回は、世界一即戦力な男のセルフブランディング術を探っていきたいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=ehzVUEHOcSk
菊池良さんとは、就活用の自己PRサイト「世界一即戦力な男・菊池良から新卒採用担当のキミへ」で、見事に内定を勝ち取った”伝説のひきこもり”です。まずは、このリンクをクリックしてみてください。一見してわかると思いますが、ある種独特な雰囲気に包まれていることが伺えます。華々しくもなんともない経歴に、無駄に壮大なビジョン、そして、意味不明なポエムや壁紙・・・。極め付けは、一番下の申込みボタン。「菊池良と面接する」となっています。秀逸です。ところどころに、上から目線を織り交ぜたネタ満載のWebサイトは、瞬く間にネットで拡散を繰り返し、今や2.2万人のツイッターのフォロワーを獲得してしまいました。
photo credit: Jonathan Kos-Read via photopin cc
テレビのニュースでも取り上げられていたので、もしかしたら”世界一即戦力な男”という名を聞いたことのある人もいるかもしれません。それにしても、企業側が就活生に直接面接を申し込む”逆就活サイト”という発想はぶっ飛んでおり、筆者も思わず感心したものです。でも、普通はアイデアだけにとどまってしまうものです。なぜなら、就活生という立場をどうしても考えてしまうからです。
当然ながら、菊地良さんも、そんなことは織り込み済みです。だからこそ、”世界一”とあえて誇張し、就職したいという本音を、壮大なネタでカモフラージュ。そして、見事に一大エンターテイメントに仕立てあげたのです。筆者も含めネットユーザーは、菊地良さんの策略にまんまと乗せられてしまったというわけです。
これは、セルフ・ブランディングの大成功例と言えるのではないでしょうか。この社会を巻き込み、現状を打破する”やりきる力”こそ、菊地良さんの中に眠っていた才能です。逆に言えば、”世界一即戦力な男”という言葉が、菊地良さんを覚醒したと言っても過言ではありません。
photo credit: Lig via
実際に菊池良さん面接を申し込んだ企業は、かなりあったそうです。サーバーがパンクしてしまうほどです。では、この一見風変りな菊地良という若者に、なぜこのように申し込みが殺到したのでしょうか。ドラマの中にもありましたが、興味本位で申し込んだ会社がほとんどかもしれません。でも、それだけではないはずです。経営者の多くは、不器用な生き方で一生懸命にもがくこの若者に、自分自身を投影していたのではないでしょうか。
ロマンを追い求め起業した経営者も、多くの困難に直面し、厳しい現実を目の当たりにします。時には逃げ出したいことも、あったと思います。それでも、踏ん張りやり続けてきた経営者には、菊地良氏の「引きこもりから脱したい!」という心の叫びが理解できたのだと思います。最終的に、菊地良は台東区のWEB制作会社のLIGに内定することになりました。このLIGという会社が、また面白い会社です。(話すと長くなるので、ここでは割愛します。)LIGさんが、当初からこのドラマ化までは視野に入れていたかわかりませんが、ソーシャルの本質を理解していた菊地良氏に、一定の即戦力性を求めていたに違いありません。
photo credit: リクルーティングの世界 via
菊地良氏は、自己を巧みにブランディング化し、内定を勝ち取りました。ソーシャルな時代、他者と差別化するために、いろいろな場面で、セルフ・ブランディングが求められています。しかし、安易なセルフ・ブランディングには、大きな危険性があるので注意が必要です。実名で行う場合は、特にです。本名と顔写真付きで、うっかり炎上させてしまうと、その軽率な発言はまたたく間にネット上を駆け巡り、取り返しのつかないことになりかねません。
こうなってしまっては、逆効果です。有名になったことで、悪評を世に残してしまった。このようなケースも十分に考えられるからです。一度出来上がってしまった悪評を打ち消すのは、簡単ではありません。このような事態を防ぐためにも、菊地良氏のように突っ込みどころを敢えて用意しておくことは、必要なことかもしれません。
何事をにおいても、やりきるということは重要ですね。菊地良氏は、とにかく「現状を打破しなければ明日はない」とガムシャラにもがいたことで、内定をもぎ取ることに成功しました。自分が即戦力ではないことは、菊池良さんが一番よくわかっているはずです。それを承知で受け止めてくれたLIGという会社に感謝し、真摯に仕事に取り組めば、きっと伝説のWEBデザイナーになることでしょう。読者のあなたにも、ドラマ化できる話が眠っているかもしれませんよ。
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