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新規事業で大失敗を防ぐ3つの方法~事業計画なき社長は去れ~

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豆腐屋の二代目である父親が廃業し苦労した経験から、事業を継続することの難しさを実感。苦しさを打ち明けられない社長の心の内に関心を抱くようになる。 会計事務所・東証プライム上場(旧東証一部上場)のM&A専門会社を経て、勇退を志す経営者を応援するサイト「社長勇退ドットコム」管理人を務める。一方で、メルマガ、ブログ、YouTubeなど幅広く情報発信。熱血M&Aアドバイザーが主人公の漫画「ロマンとソロバン」は、集英社の第15回「グランドジャンプ漫画賞」の佳作を受賞している。 ☞ 詳しくはこちらから

新しいビジネスの種、探していますか?筆者は職業柄、「儲かるビジネスない?」というようなご質問をよく頂きます。このようなご質問に対しては、「利益を出している会社はありますが、労せずして儲かるようなビジネスは、なかなかないですね」とお答えするようにしています。

「M&Aは時間を買う」とよく言われていますが、”濡れ手で粟”のビジネスなどないのです。安易な気持ちで新規事業に手をだすと痛い目にあいかねません。そこで、今回は”新規事業の失敗を防ぐ方法”をご紹介させて頂きます。

新規事業は失敗する!?

photo credit: StockMonkeys.com via photopin cc

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新規事業と言っても、その会社にとって、いろいろと捉え方が違ってきます。本業に近い事業を行うケースから、全く新しい分野の事業まで、いろいろなケースがあります。当たり前といえば当たり前の話ですが、新規事業のほとんどは失敗します。ユニクロの柳井社長も、著書で「どんなに経験を積んだところで、ビジネスにおいて全勝はあり得ない。ビジネスとは、一定の割合で失敗するものである。」と語っています。天下のユニクロでさえ一勝九敗 です。そう考えると、新規事業は、失敗を前提に考えなければいけないことがよくわかりますね。

かと言って、新規事業に挑戦しなければ生き残れない

photo credit: Eldkvast via photopin cc

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会社は、生き残っていくために、新規事業に挑戦し続けなければいけない宿命を背負っています。とは言え、生き残ること自体が目的になってはいけません。ただ生き残ることのみが目的となると、創業時に掲げたロマンがおざなりになってしまうからです。そうなってしまうと、やる気が出てこないため、結果として新規事業は棚上げになってしまいます。だからこそ、新規事業は、ロマンや経営理念に沿ったものである必要があります。

しかし、ここに新規事業が失敗する大きな落とし穴が隠されています。その失敗理由は、いたってシンプル。思いつきの事業を、勢いに任せてやってしまうからです。このことは、経営者の方であればおわかり頂けると思います。特に、オーナー社長が、一度決断した新規事業の勢いは、止まりません。それは、新規事業が楽しいからです。

事業計画は社長の仕事です

photo credit: tec_estromberg via photopin cc

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新規事業において、アイデアは非常に大切です。そもそも、経営者のたった一つの思いつきから、今の会社がスタートしているはずです。言い換えれば、思いつく能力が高い人が経営者とも言えます。中小企業であれば、なおさらです。だから、経営者ご自身が率先して事業計画を作る必要があります。よく、従業員やコンサルティング会社に事業計画を丸投げしてしまう経営者の方がいますが、そんなことでは新規事業の未来は明るくありません。事業計画の作成は、事業に対する熱い思いと、事業を成功へと導くための行動力を併せ持つ経営者の仕事です。 意志のこもっていない事業計画では、パズルを組み立てただけに過ぎません。それでは、計画が絵に描いた餅に終わってしまいます。事業計画をたてるためには、マーケティングを行い、戦略を構築する必要があります。具体的には、誰に対して、どのような商品(価値)を、どのように提供するか、ということを考えることです。たったこれだけのことを事前に考えるだけで、新規事業が成功する確率は飛躍的にアップします。具体的な成功確率は計りかねますが、相当のお金と時間を節約できることは間違いありません。

新規事業で大失敗を防ぐ3つの方法

Fighter&Bamboo spear

新規事業は、一度始めるとなかなか止められなくなるものです。だから、始める前にいろいろと決めておく必要があります。決めずにやり始めてしまうと、いつの間にか竹槍ひとつで戦闘機と戦っているという事態になりかねません。そうなってからでは、取り返しがつきません。

1)まずは、小さな資金からスタートしてみる

新規事業は、うまくいくかどうかわかりません。このことを肝に銘じ、企画を練りすぎたり、議論しすぎたりしない方が良いです。いろいろなことを想定しすぎると、失敗する可能性は高まります。投資額にも、大きな差がでてくるからです。まずは、初期投資を抑え、状況に応じて事業を進めていくことです。仮に事業が失敗しても、経験とノウハウが得られたと考えれば、決して無駄にはなりません。

2)統計調査よりも、消費者の生の声に耳を傾ける

統計調査は、参考にしてもいいかもしれませんが、鵜呑みにしてはいけません。自分自身の頭でちゃんと考えることが重要です。そのためには、ターゲットとなりうる人に直接話しを聞き、より良いアイデアのヒントを探っていきます。新しいサービスやビジネスであればあるほど、統計データよりも生のユーザの声のほうが参考になります。

3)撤退基準を明確にしておく

新規事業は、ある程度検討したら素早く始めて、さっさと失敗し軌道修正するのが近道です。だからこそ、数をこなしながら、ダメならばすぐに撤退する姿勢が必要です。その上で、成長見込みがあると判断したら、大きく資金を投入すれば良いのです。進むべきか退くべきかの判断を冷静に行うためには、事業を始める前に撤退基準を決めておかなければいけません。始めることよりも退くことが判断は難しいからこそ、基準を設定しておくことが重要になります。

あとは実行あるのみ!

photo credit: Vincepal via photopin cc

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これだけの準備をすれば、あとは自分を信じてガムシャラに実行するだけです。もう、立ち止まる必要はありません。なぜなら、事業計画が作ってあるからです。仮に、失敗をしても大きな失敗になることはありません。撤退も視野にいれているからです。そして、その失敗は明日の糧へとつながるはずです。計画と現状の差異を分析できる状態にあるからです。今一度、事業計画の重要性を考えなおしてみると、新たな発見があるかもしれません。

筆者のひとりごと

どんな新規事業も、経営者の世界観が必ず反映されているものです。事業計画の中に経営者のロマンがあるからこそ、利害関係者に対して説得力が増してくるのです。社長が人生を賭して、何としてでもやり遂げたいことを、事業計画に盛り込んでみると魅力的な計画書になるはずです。この大前提を忘れてしまうと、事業に歪みを生じさせるかもしれません。

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